英子さん(仮名)が3月に引っ越してきたマンション。「大学にも行けず友達もできず、ストレスがたまる」と話す=8月、千葉市内

 新型コロナウイルスの影響で、オンライン授業になった大学や専門学校。期待に胸を膨らませ、福井から県外に進学した新1年生の中には、友達もできずに部屋にこもり鬱屈(うっくつ)した毎日を送っている人もいる。お盆の帰省自粛が求められているが、「我慢できない」と実家に戻ってくるケースも。学生からは「『Go To トラベル』の前に『Go To 大学』でしょ?」「国は大学生の存在を忘れてない?」といった不満の声が上がっている。

 千葉大学に合格した福井県坂井市出身の英子さん(19)=仮名=は3月、千葉市に引っ越した。その2日後、大学のホームページで前期はオンライン授業になると知った。「実家に帰ろうとは思わなかった。ウイルスを持って帰るのが怖かった」

 授業は動画を見て、リポートを書くというスタイル。教授が話す動画もあれば、スライドだけの動画もある。同級生の顔も名前もまだ知らない。大学には1度、図書館に行っただけだ。「つまんない生活で最悪」。話す相手もなく、トイレに行く時は「よしっ、トイレに行こう」と独り言で気を紛らす。

 7月から週1回、家庭教師のバイトを始めた。電車で4駅離れた場所で、乗車時間は約10分。公共交通機関を利用するのはこの時だけだ。お盆の帰省は大いに迷ったが、結局帰ることにした。検温などの健康管理には注意している。

 コロナ禍における小中高校の現状といった報道はよく目にするが、大学のことはあまり取り上げられていない気がする。「忘れてないか? 大学を」と思う。

 関西の専門学校に今春入学した越前市出身の恵美子さん(18)=仮名=は、実家でオンライン授業を受けていたが、6月から対面授業になり1人暮らしを始めた。

 アルバイト先の居酒屋は、新型コロナの感染の再拡大によって7月後半から客足が鈍り、勤務時間を削られるようになった。節約のために自炊に励む。「高校時代に友達と食べた焼き肉はぜいたくだった」と懐かしむ。

 そうした中で最近、学校関係者が新型コロナに感染していることが判明。実家にいる祖父母の体を配慮し、帰省を諦めた。

 一方、横浜国立大学に合格した福井市の留美子さん(19)=仮名=は、前期のオンライン授業が決まったその日、住み始めて2日しかたっていないマンションから実家に戻った。家賃は親が払い続けている。

 自宅のタブレット端末などで授業を受けているが、ビデオ会議アプリを使った生の授業は週に2コマだけ。残りはいつでも見られる。張り合いがないし、時間を持て余している。「無限の夏休みみたい」

 都会では、夜の街に出掛けた大人たちが感染を拡大させているという報道を見聞きする。「田舎の学生がこんなに我慢しているのに、大人たちは一体何をやっているの?」と、イライラが募る。

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