福井県衛生環境研究センターのPCR検査機器=2月

 福井県内で新型コロナウイルス感染の第1波の収束後、7月に再び感染者が確認され始めてから1カ月がたった。県外滞在歴のある感染者からその同居家族らへの2次感染までにとどまった7月に比べ、8月以降は感染経路がすぐには推定できずに拡大の可能性が否定できないケースも相次ぐ。第1波とは対照的に感染経路が多系統に及ぶ中、福井県は接触者への積極的なPCR検査で拡大抑止に注力している。

 県内の第1波が4月下旬に収束した後は、7月12日から8月9日にかけて感染者32人の確認が発表された。このうち、県外滞在歴や県外客との接触が確認された人は計17人、その家族か同僚は10人。2次感染までの範囲に抑えられている事案が多くを占めている。

 県の分析によると、第1波では接待やカラオケを伴う飲食店、職場、病院、家庭などを介して最大で6次感染まで連鎖し、感染者全体がほぼ一つのクラスター(感染者集団)と推測できた。7月以降の感染者は十数系統に及ぶが個々の広がりは限定的となっている。

 県は独自の取り組みとして、感染者が判明すると、すべての濃厚接触者に加えて一定程度の接触があった人に対してもPCR検査を徹底。検査ですぐに周辺の感染者を把握し、その時点でさらに感染が広がっていた場合にも、その先の濃厚接触者を探れる態勢を取っている。杉本達治知事は4日の記者会見で「陽性者が隔離できて濃厚接触者が特定できていれば、次の次の感染が止められる。それが今の結果につながっている」と強調した。

 ただ、8月初め以降には、県外滞在歴がある感染者の同居家族の会社同僚から複数の感染者が見つかり、3次感染の可能性が疑われるケースが発生。本人も接触者からも県外とのつながりが確認できない感染者も出始め、11日時点ではこれらを含む5系統に関して行動範囲や接触者の聞き取りによる感染経路の調査が続いている。感染源が把握できなければ、そこから別の経路で感染が広がる可能性をつぶすことができないことになる。

 窪田裕行県健康福祉部長は記者会見で「人の往来が盛んになる中で、県内にいてもウイルスと接触する危険がある時期」と重ねて強調。丁寧な手洗いやマスク着用、「3密」回避など基本的な予防対策の再徹底を呼び掛けている。

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