移住相談を受け付ける福井Uターンセンターのスタッフ。新型コロナウイルスの影響で本気度の高い相談が増えている=8月4日、福井県福井市のアオッサ内の同センター福井オフィス

 福井県に寄せられる県内への移住相談が、外出自粛期間となった4月の落ち込みから回復し、増加傾向が続いている。新型コロナウイルスの影響で都市部からのUターンを検討する子育て世代や若者からの相談が目立つ。通常は移住までに平均半年程度の相談期間を要するが、1カ月足らずで決断を下す家族も。県は「感染拡大の不安から移住を急ごうとする本気度の高い相談が多い」としている。

 県の「ふるさと福井移住定住促進機構」(福井Uターンセンター)が福井、東京などの各オフィスで受けた移住相談は、新型コロナによる来所者激減で4月は370件(前年同期比142件減)、5月は414件(同63件減)と低調に推移した。6月には603件(同10件減)に増え、7月は693件(同95件増)に伸びた。

 4~7月の合計は2080件で前年同期を120件下回るが、来所を除いた電話(ビデオ通話含む)とメールの相談は2割増。県定住交流課は「新型コロナの影響で相談は今後も増えていく」と見込む。

 センターによると、6月中旬に相談があった東京在住の20代夫婦は、妻が県内出身。第1子を妊娠中で、感染リスクを避けられる子育て環境を求めて月内にすぐUターンを決めた。夫は飲食店従業員だったが、不特定多数との接触がない製造業に転職しようとセンターから県内企業の紹介を受けている。

 5月から相談を受けている東京在住の別の夫婦は「病児保育で子どもを預けられる病院の近く」への移住を希望。県が独自に取り組む出産直前の妊婦対象のPCR検査にも関心が寄せられており、地域の医療体制に注目する移住希望者が増えているという。

 「もし感染したらと思うと1人暮らしは心配。仕事さえ見つかれば、福井に戻りたい」という独身女性からの相談も。4~7月、センターに新規で求職者登録した移住希望者は、前年比3割増の64人を数えた。県定住交流課は「あとは企業とのマッチングに力を入れていきたい」と意気込む。

 県は13、14日の帰省時期に合わせ、本年度初となる対面での移住相談会をオンラインと並行して福井市のアオッサで開く。感染拡大地域との往来には慎重な判断が求められる状況が続くが、同課は「実際の移住に関しては、引っ越した後に自宅待機するなどの対策も取ることができる。安心して福井で過ごしたい気持ちで来られる人だから、温かく迎えたい」としている。

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