ゲンキーの確約計画認定について会見する公取委の担当者=8月5日、福井県福井市の県繊協ビル

 ドラッグストアのゲンキー(本社福井県坂井市)が商品納入業者の従業員を不当に派遣させて新店の準備を手伝わせたなどとして、独禁法違反(優越的地位の乱用)疑いで2018年11月に立ち入り検査した公正取引委員会は8月5日、改善策を盛り込んだ同社の確約計画を認定した。同社は違反疑い行為を認め、従業員を派遣した複数の納入業者に日当分など約1億4千万円を返金する内容。排除措置命令や課徴金納付命令の行政処分は免除される。

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 公取委によると、確約計画の適用は全国4例目。納入業者への返金措置は初のケースという。

 ゲンキーの違反疑い行為は、納入業者に対して▽新規出店や店舗改装時、派遣に必要な費用を負担せずに従業員を派遣させ、商品陳列などの作業をさせた▽取引に関係ないのに、店舗で販売するクリスマスケーキやおせちを購入させた▽催事の協賛金や物流センター使用料など、算出根拠を説明せずに支払いを要請▽売れ残った商品の返品を、取り決めがないのに求めた―の4点。公取委は、遅くとも16年1月ごろから行っていたと認定した。

 公取委は今年5月、自主的な是正を前提とした確約手続きに移行できることをゲンキーに通知。同社は確約計画で、従業員を派遣した納入業者に損害金を返金することや、今後同様の行為を行わないことなどを盛り込んだ。返金については、派遣従業員の日当分などとして1日当たり2万円の計算で納入業者と交渉しているという。

 福井市内で5日、記者会見した公取委近畿中国四国事務所の山下剛審査統括官は「排除措置命令では損害金の返金はされず、確約手続きの方が速やかに違反疑いの状態を解消できると判断した」と強調。「ドラッグストアが業績を伸ばす市況の中、納入希望業者が増えるとみられ、一層適正な取引が求められる」と述べた。

 ゲンキーの広報担当者は「確約計画に沿って真摯(しんし)に対応する」とコメントした。

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