古関裕而さん直筆の福井高専校歌の楽譜。伴奏のメロディーも反映されている

 福井県鯖江市の福井高専の校歌は、全国の国立高専で唯一、NHK連続テレビ小説「エール」の主人公のモデル、故古関裕而さんが作曲した。このほど同校で、主旋律に加えピアノ伴奏メロディーも書かれた古関さん直筆の楽譜と、古関さんが当時の校長に宛てた手紙の写しが発見された。校歌完成当時に在籍した卒業生は貴重な史料発見を喜び、「これからも歌い継いでほしい」と後輩に“エール”を送った。

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 同校は1965年に開学し、校歌は66年5月に作られた。当時の内藤敏夫校長が作詞した歌詞を携えて上京、古関さんに作曲を依頼したという。古関さんは快諾し、2カ月余りで完成した。

 同校などによると、全国の国立高専51校中、校歌を古関さんが作曲したのは福井高専のみ。また県内で古関さんが校歌を手掛けたのは、同校と旧福井医科大の2校ある。

 福井高専の校長室には以前から、校歌の主旋律を記した古関さん直筆の楽譜が飾られていた。これに加え今年7月、主旋律とピアノ伴奏が共に書かれた直筆楽譜を、同校職員が総務課の倉庫で見つけた。さらに校歌の完成を知らせる古関さんの手紙の写しもあった。

 楽譜には「福井工業高等専門学校校歌 古関裕而作曲」とあり、「力強く、堂々と」歌うよう指示が書かれている。また、ピアノ伴奏用に前奏も含めたフルバージョンの譜面となっている。

 手紙は1966年5月10日付。完成した校歌に「唱(うた)い易(やす)い中に力強さを盛った心算(こころづも)りです」と思いをつづり、「永(なが)く御愛唱頂ければ作曲者としてこれに越した喜びはありません」と締めくくっている。

 田村隆弘・現校長は「古関さん作曲の阪神タイガースの歌『六甲おろし』を思わせ、学生を勢いづけてくれる曲調。まさに学生への応援歌」と感謝する。

 7月27日に1期生ら卒業生11人が母校に集まり、田村校長と共に楽譜や手紙の写しを見ながら「入学前のオリエンテーションで何度も校歌を練習した」などと思い出を語り合った。1期生の藤本武則さん(71)=鯖江市=は「卒業生は年代を超えて校歌で結び付く。在校生の皆さんもぜひ歌い継いでほしい」と語った。

 同校は新型コロナウイルス感染拡大防止のため遠隔授業を続けており、田村校長は「学校が再開したら、ぜひみんなで校歌を歌いたい」と話していた。

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