越前海岸地域の魅力を話す福井移住の「先輩」の男女=6月、福井県福井市居倉町の越廼サテライトオフィス

 福井県福井市への移住相談が前年度から倍増している。都市部の若い世代からの相談が多く、市移住定住推進室は「新型コロナウイルス禍の中、人が密集する都市部から地方への移住を検討する人が増えている」とみる。市は本年度から移住支援の対象を若年夫婦や子育て世代に拡大し、オンラインによる相談を重ねて移住者増につなげたい考えだ。

 同室によると、今年4~6月に電話やメールで寄せられた移住相談は41件。前年同期の20件に比べ倍増した。推進室によると、東京をはじめ三大都市圏で暮らす若い夫婦からの相談が多い。夫婦どちらかが福井市出身で、福井にUターンすると決めて市の支援内容を尋ねるケースが多いという。

 市はこれまで35歳未満の単身女性に就職面接の際の交通費や移住の引っ越し費を補助してきたが、本年度から対象を40歳未満に引き上げた。新たに40歳未満の若年夫婦や、中学生までの子どもがいる子育て世帯も対象に加えた。同室は「子育てのしやすさや学力の高さといった福井の強みを生かしたい。支援内容もさらに拡充していければ」とする。

 新型コロナ禍を受け、地方移住に関心がある人向けのオンライン交流会や相談体制の強化にも乗り出している。6月末にあったオンライン交流会「日本全国! 地域仕掛け人市」では、福井移住の“先輩”である長崎県出身の男性(36)と越前市出身の女性(35)の2人が、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使って体験談を披露。越前海岸地域で塩作りや養鶏、野菜作りなどに励んでいる2人は、日本海を一望できる市のテレワーク推進拠点「越廼サテライトオフィス」から都市部の若年層13人に地域の魅力を発信し、「海も山も近く、魅力的な移住者が多く住民が優しい」と強調した。

 8月からはオンライン相談窓口を開設。毎週火曜と第3土曜日に1日最大4件、ズームで相談に応じる。

 市や県の支援を利用した福井移住者は2017年度の355人をピークに減っており、19年度は266人にとどまった。担当者は「オンラインできっかけをつくり、オフラインで実際に福井に来てもらって、住民とSNS(会員制交流サイト)でつながって関係を築いてもらい、移住につなげたい」としている。

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