【ドクター相談室】過活動膀胱、治療薬は10種類以上

 頻尿で困っています。夜は2、3回、日中は20回ほどトイレに行きます。2年ほど前から左の下腹が痛くなって頻尿になり、医師からは「過活動膀胱(ぼうこう)」と言われました。いろいろ薬を飲みましたが治りません。どうやったら治るのでしょうか。(70代女性)

【お答えします】糸賀明子 福井赤十字病院腎臓・泌尿器科医師

■薬の種類や治療法多数

 過活動膀胱とは尿意切迫感(尿意を感じたら我慢が難しい)を主症状とし、これに頻尿や切迫性尿失禁(トイレまで間に合わずに失禁してしまう)を伴う症候群です。現在、日本では800万人、40歳以上の男女の8人に1人が過活動膀胱を有していると言われています。過活動膀胱の患者さんは寒さや水の音、トイレのドアノブに接触するだけでも尿意が出現するため、生活の質がかなり落ちてしまいます。重症になるとトイレを気にして出掛けることもできなくなってしまうくらいです。

 過活動膀胱に対する薬は多く、病院で処方される薬は10種類以上あります。患者さんと薬の相性もありますので、効果がない場合や副作用が強い場合には薬を変更します。また、2剤を組み合わせる場合もあります。それでも効果がない場合や、副作用がある場合には仙骨神経刺激療法やボツリヌス毒素の膀胱壁内への注入といった治療法があります。これら二つの治療法については治療できる施設が限られていますので、まずはお近くの泌尿器科でご相談ください。

■他の疾患隠れている場合も

 頻尿の原因は過活動膀胱以外にもたくさんあります。神経因性膀胱▽細菌性膀胱炎▽間質性膀胱炎▽尿路結石▽膀胱がん▽水分摂取量(アルコールやカフェインを含むもの)が多い▽心因性頻尿▽前立腺肥大症(男性)-などです。相談者の方は過活動膀胱と診断されているようですが、どのような検査を受けられたでしょうか。その他の原因や疾患が隠れている場合もありますので、一度、担当の先生とお話しされるといいかもしれませんね。

 患者さんによっては、「おしっこの話は恥ずかしいから」とか「先生に悪いから」と思われて薬の効果がなくても外来で正直にお話しされない方もいらっしゃるかと思います。過活動膀胱の薬はたくさん種類がありますし、新しい治療法も出てきています。場合によっては他の疾患が隠れている可能性もありますので、恥ずかしがらずにご相談ください。一緒に解決策を見つけていきましょう。

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