手形タイルが破損したり剥がれたりしたままになっている福井市カルチャーパークの広場=福井県福井市月見5丁目

 福井県福井市月見5丁目の公園「市カルチャーパーク」にある福井市制100周年記念で市民に呼び掛けて制作した手形タイルが壊れたままとなっており、管理方法を尋ねる声が福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に寄せられた。市によると、タイル約500枚の破損を確認し、危険な状態のため現在は立ち入り禁止にしている。自由に見られる状態にするため、修繕用タイルを購入し準備を進めているが、完成時期は未定という。

 タイルは1989年の市制100周年を記念して福井青年会議所が90年3月に整備した。1枚当たり2千円で参加を募り、20センチ四方のタイル2万1621枚に市民2万5544人の手形と名前を刻み、同パーク中央にある広場に敷き詰めた。現在は、市公園課が管理している。

 ふく特のLINEに情報を寄せた市内の男性(59)は、独身最後の記念にと結婚前に妻(53)と応募。「子どもが大きくなったら再び見に行こう」と約束し、98年ごろに子ども2人を連れ、2人のそれぞれのタイルで記念写真を撮ったという。

 先月、約20年ぶりに訪れると、タイルは割れたり浮いたりしていて、立ち入り禁止となっていた。男性と妻は「タイルを見ると、当時の思い出がよみがえるので、今の状態はとても寂しい」と思いを話した。

 同課によると、タイルの破損は複数回見つかっている。2011~12年度に約300万円をかけて割れたタイルの撤去や浮いたタイルを押さえる部分補修を行った。しかし、17年度の調査で497枚の破損を確認。このうち、205枚は同課で保管しているが、破損の状況が激しい292枚は破棄したという。

 破損の原因について同課は▽タイルやコンクリートの経年劣化▽地盤の変動による影響▽外的衝撃-を挙げている。投稿した男性の妻は「きちんと整備し直すか、修繕しないのならタイルを持ち帰りたい」と強く話す。

 公園内を清掃する藤ケ丘連合自治会会長(74)は「手形タイルに思い入れがある市民は多いと思うが、このままだと破損が進むだけ。以前の姿を画像で紹介する看板を立てるなどし、タイルは撤去して公園を整備し直した方がいいのでは」と指摘する。

 市は、修繕に向け18年にタイルを1850枚購入した。原板も全て保存しており、できるだけ早く修繕を終えたい考え。タイルの返還は検討していないという。

 同課課長は、完成時期は見通せないとした上で「思い出が詰まったタイルなのでやはり元通りに修繕したい。割れにくくするなどの対策を施して、できるだけ早く修繕を終えたい」と話している。

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