遊覧船で子育てするツバメ

カラスなどからツバメのひなを守るため、対策を講じる藤原誠二さん=福井県若狭町海山のレイククルーズ遊覧船

 福井県の三方五湖で運航している「レイククルーズ」(若狭町海山)の遊覧船で、ツバメが巣作りし、子育てに励んでいる。4年連続での営巣で、これまで30羽以上のひなが巣立ったという。船長の藤原誠二さん(69)は「運航中に親鳥が船の周りを飛ぶこともある。乗船時は優しく見守ってほしい」と呼び掛けている。

 ツバメの巣は現在、船の1階の天井部分にあるライトや骨組みの隙間に三つある。二つの巣に計10羽ほどいたひなは外敵に襲われ全滅してしまったが、残る一つの巣で3羽がすくすくと成長中だ。時折、親鳥2羽が餌をあげる様子が見られるといい、7月下旬までひなを育てる様子が見られそうだ。

 藤原さんによると、何年も前からツバメが巣を作ろうとしていたが、船が汚れるためひもを張るなどして営巣できないようにしていたという。動物好きの藤原さんが船長になった2017年からは営巣を見守ることにし、ツバメに協力することも。現在も天敵のカラスなどから残ったひなを守るため、巣の周囲に棒を立てたり、飾り付け用のモールを付けたりと、対策を講じている。

 運航中に親鳥が船を追いかけてきて餌を与えることもあるそうで、乗客も温かく見守っているという。藤原さんは「愛らしい姿にお客さんも喜んでくれる。ただ、無事に巣立たせるためにも近づかないようにして見てもらっている」と話す。

 日本野鳥の会県副代表の小嶋明男さん(64)は「常に動いている場所で巣を作る例は全国的に少ない。温かく見守る船長の取り組みが非常にほほえましい」と目を細める。

 レイククルーズは2000年に町が事業を始め、11年からは指定管理者の海山漁協が運営。遊覧船は全長約15メートル、幅約6メートルの2階建てで、水月湖と菅湖を巡るルートで、同漁協の藤原さんら2人が1日最大6便運航している。

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