外出自粛期間中に「ズーム」を使って旧友と再会を果たした高橋要さん(左下)=4月

 友人たちとビデオ通話をつないで、グラス片手に乾杯―。新型コロナウイルスの感染拡大により、会食の自粛が求められる中で広がった「オンライン飲み会」。居場所に関係なくつながることができるため、遠隔地の知人と久しぶりに話す機会を持った人は多い。

 「コロナ広がってるけど、みんな元気?」。外出自粛が続いた4月下旬。福井県福井市の高橋要さん(32)は、人と会う機会がなくなった寂しさもあり、出身地、山形県米沢市の中学の同級生のLINEグループに呼び掛けた。ビデオ電話でのオンライン飲み会を提案すると、旧友6人が集まった。

 3年ぶりの“同窓会”。それぞれ近況を伝え、再会を喜び合った。自宅のリビングでカメラに映り込んだ家族を紹介した人も。子どもを風呂に入れるために中座してから再び戻ってくる一幕もあり、「リアルな飲み会にはない楽しみ方ができた」。

 「今までは同窓会をしたくて呼び掛けても、お盆や正月だと家庭のこともあるし調整が難しかった。これだったら、ネットさえ接続できればどこにいてもつながることができる」。高橋さんは5年前に住んでいた京都府の友人たちともビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」で再会し、「これからも気楽に集まれそう」と次回を楽しみにしている。

 夫の転勤で2年前に福井市から引っ越した西村彩夏さん(30)=小浜市。2歳の長女と5カ月の次女を抱えて育休中だ。「でも、子どもと向き合っているだけで一日が終わっちゃう」。子育てを楽しむ一方で、自分の時間がほとんどない毎日には少し疲れていた。

 福井市でルームシェアしていた亀山茜さん(37)がズーム通話に誘ってくれたのは、そんな時だった。かつてはよく一緒に遊んでいたが、最近は年2回ほどお茶を一緒に飲む程度。「久しぶりに30分だけしゃべろうよ」と子どもを寝かしつけてからスマホをつないだ。

 友達と夜に、飲み物を片手に語り合う。子どもが生まれてからはずっとなかった時間だった。「20代のころを思い出してテンション上がっちゃって」。初めてのズーム通話は明け方まで続いた。

 亀山さんがズームを知ったのも、コロナ禍の3月になってからだ。参加予定だった大阪府でのセミナーがズーム開催に変更になったのがきっかけだった。「移動時間もお金もかからないし、めちゃくちゃ便利」と世界が広がった気がした。

 関西に気の知れたグループの旅仲間がいる。計画していたキャンプを中止した代わりに、ズームでしゃべったりゲームをしたりして、ステイホームの日々を一緒に楽しんだ。亀山さんはモニターのみんなに言った。「わたしたち絶対、前よりも仲良くなってるよね?」

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