1945年7月19日未明、福井空襲で福井市上空は深紅に塗りつぶされた。その下では、阿鼻叫喚(あびきょうかん)の炎熱地獄が現出されていた。翌日、焼け跡を訪れた私たちの目に映ったものは、くすぶり続ける廃虚の瓦礫(がれき)の街と、路上には血に染まった、あるいは黒こげになった遺骸(いがい)が丸太ん棒のようにころがっていたのが、強烈な印象として残っている。幼い私(当時3歳)には、何のためにそこに人間の形をしたものがたくさんころがっているのか、理解できなかった。(2005年本紙に投稿、当時63歳)

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 今年、終戦から75年を迎えます。戦争の時代を生きた人たちの証言を聞く機会が減りつつある今、これまでの取材や投稿の中から貴重な「言葉」を紹介し、戦争の悲惨さ、平和と命の尊さを見つめ直します。全国の地方紙とも連携します。

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