【越山若水】ウンザリするほど長い梅雨である。6月11日の梅雨入りからきょうで41日目。優に1カ月を超えている。しかも雨がやむことなく、九州北部などで壊滅的な豪雨災害を引き起こした▼激しく降ってサッと上がる「男梅雨」でもなく、いつまでもシトシト降り続く「女梅雨」でもない。7月に入って福井市では19日にようやく降水量ゼロ。日照時間も平年の2割程度しかない。農家の人たちは水稲のいもち病やスイカの炭疽(たんそ)病などにヤキモキしている▼「葉を巻いてトマト病みをり梅雨の庭 松本たかし」。夏野菜は生育不良も重なって出荷が少なく、店頭の価格は例年以上の高値で推移。消費者もとばっちりを受け、不景気の家計を一層苦しめている。さらに恨めしい長梅雨のせいで、人間の体調だって異変を来す▼「すぐれぬを常としつつも梅雨は憂し」。前段の作品と同じ松本たかしが詠んだ一句。能楽師の家に生まれながら、病弱のために俳句に専念した人である。彼でなくても低気圧が次々やって来て雨続きのうっとうしいこの時期、頭痛やめまいを覚える人は多いだろう▼天候変化が引き金の「気象病」である。内耳が重要な役割を果たすといわれるが、残念ながら確実な予防・治療法はない。平年なら24日の梅雨明けも、今年はもう少し先に延びそうだ。規則正しい食事や睡眠、適度な運動でストレス軽減を図りたい。

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