長い妊娠期を経て、わが子に会える喜びと、痛みなどへの不安を抱えながら迎える出産は、命をかけた一大事だ。しかし、新型コロナウイルスが流行し始めてからは、入院中も面会制限がかかり、家族の立ち会いはかなわず、心細いまま一人で臨んだ人も少なくない。コロナ禍の中で出産を経験した福井県内のお母さんに、その胸中を聞いた。

 6月中旬、予定日より早く出産を迎えた福井市の女性(37)は「心の整理がつかない中、上の子への対応や、入院着の洗濯など多くの困りごとがあった」と振り返る。

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 私の体の不調で、第2子を予定日より1カ月半ほど早く帝王切開で出産することになりました。血圧が異常に高くなり、予定日の2カ月前に入院。体調をみていったん退院するはずでしたが回復せず、数日後に医師から「明日産みましょうか」と言われました。

 早く産んでしまうことがわが子に申し訳なく、心の整理がつかない中、面会制限で夫と5分ほどしか話せなかったのがつらかったです。泣きながら手術室に入りました。

 面会が大人に限られていたため、上の子が私に会えず不安定になってしまい申し訳なかったです。上の子を預けなければ夫も面会に来られず、なかなか入院着の洗濯を頼めなかったのも困りました。

 産褥(さんじょく)ショーツや大きめのナプキンなど、男性には分かりにくい出産用グッズは入院前にまとめておいたので、スムーズに持ってきてもらえて助かりました。また、同一月の医療費が一定額を超えた場合に、医療機関の窓口での支払いが自己負担限度額になる「限度額適用認定証」を事前に取り寄せました。面会制限があると書類のやりとりもしづらいので、帝王切開や入院の予定がある人は手続きをしておくといいと思います。

 私は退院しましたが、子どもはまだ新生児集中治療室(NICU)にいます。先日、初めて直接授乳ができました。面会では1人ずつしか入室できないので、まだ親子そろって撮った写真がありません。制限が緩和されたら、記念の1枚を撮って残したいです。

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