マスクを着用し間隔を空けて座り、選手のプレーに力を込めて拍手する保護者たち=福井県敦賀市総合運動公園野球場

 一般客は入れず、恒例の吹奏楽や大声援も響かない。7月18日開幕した福井県高校野球大会は新型コロナウイルス感染防止のため、スタンドは例年よりはるかに静かだった。しかし、保護者やベンチ外の部員は心を込めて拍手を届け、プレーを後押しした。

 スタンドへの入場は3年生ら背番号を付けた選手の保護者100人までと部員、指導者に限り、事前申請制とした。試合開始の30分前、保護者らは球場外に一列に並び、検温に応じた。全員がマスク姿。「試合は見られんのか」と入場を求める一般客に警備員が遠慮を求める一幕もあった。

 逆転勝ちした若狭の的場貴志保護者会長(47)は、「チャンスや得点が入ったときはついつい大声を出しそうになり、『アカン、アカン』と何とかこらえた」という。夏の大会で恒例となっている試合後の校歌斉唱はなく「寂しかった」と本音も。それでも「こんな状況の中で試合をさせてくれてありがたい」と感謝を口にした。惜敗した福井農林の杉森弘規保護者会長(49)も「最後にプレーが見られてよかった」と、3年間の努力の成果を目に焼き付けた。

 選手にも例年とは異なる対応を求めた。試合中もベンチではマスクを着け、ハイタッチは禁止。生還した走者には肘でタッチして迎えた。試合後、相手との握手はなかったが「ありがとう」と笑顔を向け合った。

 スタンド席の拍手が熱戦に力を与えた。福井農林の他中啓太投手は「スタンドにいるのが分かった」という保護者の前で投打の活躍を見せ、敗戦も「悔いはありません」と晴れやか。無得点で終わった武生東の森壮志主将は「みんなで最後にプレーでき、本当によかった」と涙を流した。

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