75年前の福井空襲の惨状を伝える朗読劇=7月19日、福井県の福井市美術館

 1945年7月19日の福井空襲からちょうど75年となる7月19日、福井県の福井市美術館で当時の惨状を伝える朗読劇が行われた。戦争を知らない世代の高校生らが、雨のように降る焼夷弾や避難する市民らの様子を生々しく語り、不戦の決意を新たにした。

 空襲を体験していない戦後生まれの俳優、佐々木雪雄さん(67)=同市=が演出を手掛けた。戦後75年となり体験者が高齢化。高校生をはじめ若い世代に出演してもらい、戦争や平和について考えてもらおうと、体験記などを集めた福井空襲史を基に朗読劇を企画した。

 北陸高校演劇部の生徒や朗読の指導者、紙芝居サークルのメンバーら20人が出演した。

 劇は空襲を知らせるサイレンが鳴り響く場面からスタートした。出演者は代わる代わる、「あの夜、空襲は突然始まった」「飛行機は頭の上をこれでもかこれでもかと飛んでくる」「焼夷弾を雨のように降らし、福井市内を焼き尽くした」などと朗読していった。

 「焼夷弾が落下した」のフレーズに合わせ、会場は赤いライトで包まれ、笛や太鼓の音で着弾時の衝撃を演出。最後は出演者全員で、「あなたたちの悲しみの声を再び聞くことはできない。いままた誓い新たに語りかける」と読み上げた。

 出演した北陸高校の2年生は「台本を何度も読むうちに、何が起きてどれくらいつらかったのかを肌身で感じた」と話した。別の生徒は「戦争は体験したことはないが、悲惨すぎる。平和な時代が継続するように、僕ら若者が何かしていきたい」と強調した。

 11歳の時に福井空襲を体験し、娘と観劇した86歳の女性は、「足羽川近くの防空壕に入るなど、当時のことが蘇った。戦争は無駄なこと。絶対にやってはいけない」と話していた。

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