福井市内に129カ所ある農業用ため池。市は長雨を受け「雨の合間にパトロールを」と呼び掛ける=7月13日、福井県福井市花野谷町

 停滞する梅雨前線は九州各県や岐阜、長野に豪雨災害をもたらし、福井県福井市でも調整池から流出した水が土や石とともに集落に流れ込む浸水被害があった。福井市は人家に被害を及ぼしかねない調整池の所有者に適正な管理を求めていく。129カ所ある農業用ため池の管理者にも「雨の合間にパトロールを」と呼び掛けている。

 福井市での被害は7月8日深夜、中山間地にある本郷地区の集落、荒谷町で起きた。近くのゴルフ場が管理する調整池から流れ出た水が山の斜面を伝って土石とともに集落に流れ込んだ。3軒が床下浸水し、小屋の外壁やシャッターが破損する被害があった。

 被害を受け市は、住宅団地などの開発に伴い整備された市内の調整池のうち、擁壁の破損などで水が流出すると人家に被害をもたらす恐れのある調整池の洗い出しを始めた。都市計画課は「所有者に適正な管理に努めるよう求めていく」とする。

 市は調整池の漏水を受け、農業用ため池の管理者にも漏水や水路の詰まりの点検を求めている。市内にある農業用ため池は129カ所。そのうち決壊すると周辺の家屋や公共施設に被害を及ぼす恐れがある「防災重点ため池」は48カ所ある。農業用ため池は自治会や農家組合、土地改良区が管理しており、市農村整備課は「大雨時にため池に近づくのは危険なので、雨の合間にパトロールをお願いしたい」と話す。

 決壊した場合の浸水の区域や深さを想定したハザードマップを作製済みのため池36カ所については、住民にマップや避難場所の確認も呼び掛けている。

 ため池は、2018年7月の西日本豪雨で2府4県の32カ所が決壊。国は同年11月に防災重点ため池の選定基準を見直し、県は基準を踏まえ19年度に再選定した。市内の防災重点ため池は28カ所から48カ所に増え、市は20年度、新たに選定された20カ所のハザードマップを作製することにしている。

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