【論説】複式学級がある大野市小山小と阪谷小で情報通信技術(ICT)を活用した連携授業が行われている。多様な考えを知り、意見を伝え合う学びが重視される中、小規模校に合った積極的なICTの活用を期待したい。

 学校は人との関わり合いの中で児童生徒が学び、成長する場といわれる。小規模校では一人一人の果たす役割が大きくなるため、児童生徒の想像以上の成長が期待できる一方、集団で学び合う視点からは学習や生活面で制約を受けるとの指摘もある。

 県内の小規模校は、これまでも行事や学習などを通して児童が他校と交流を深めている。中学校生活へのスムーズな移行に向けて、近隣の児童が行き来もしてきた。今回は新型コロナウイルス拡大防止でICT教育が注目される中で行われたことに注目したい。

 小山小と阪谷小であった授業は国語の「聞いて、考えを深めよう」の単元。「学校昼食」をテーマに小山小の6年生4人と阪谷小の6人が弁当派と給食派に分かれて話し合った。授業を前に、児童は英語と日本語で自己紹介する時間を2回確保。相手の意見や質問を想定し、自分の考えを補強するなど準備を進めた。発表内容を的確に捉え、自分の考えと比較しながら意見をまとめるのが目標で、児童はしっかりと話を聞き、はきはきと発表した。

 ICT機器の使い方や相手校との打ち合わせなど最初は教員の負担も大きいだろう。しかし、慣れれば、児童生徒の移動時間などを考えると直接交流するよりも気軽にでき、頻度も増やせるのではないか。

 何より離れた相手に伝える活動を入れることで、児童生徒は根拠を明確に示して自分の考えを発表する必要があり、学びも深まる。連携授業によって教員同士がフォローし合うことも可能だ。複式学級では異なる学年を1人の教員が教えており、2人でみることで、細やかな指導につながる。

 新型コロナが広がる中、文部科学省は小中学生に1人1台のパソコンを整備する「GIGAスクール構想」の目標年度を2023年度から本年度に前倒しした。今後、県内でもICTの活用は進むとみられ、小規模校にとって好機となるのではないか。

 人口減少社会で小中学生は少なくなり、学校の小規模化はますます顕著になる。集団の中で学び合う機会を確保するのは、さまざまな手段があるだろうが、ICTによる学校の連携も今後の新しい形として積極的に進めたい。

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