雑草を駆除し、きれいになった墓の前でお参りする高田義紀住職(左)ら=福井県越前市

 福井県鯖江市中戸口町の浄土真宗本願寺派明厳寺は、先祖代々の墓の維持が難しくなった人向けに、墓守の代行サービスを始めた。福井県内にある墓を対象に、草刈りや墓参りを代わりに担う。高田義紀住職(53)は「墓は家族の縮図。寺として、家族の絆を守る力になれたら」と話している。

 高田住職は5年前、門徒から「体の具合が悪く、墓を維持できない」との相談を受けた。ほかにも県内で使用者不明となっている墓が多いと知り「墓が放置されている寂しい現状を何とかしたい」と、新たなサービスを思い立った。「墓もり代行」と銘打ち、商標登録出願中という。

 高田住職が墓を訪れ、草刈りやごみ拾い、献花を行い、合掌の上お参りする。希望者には別料金で読経もする。墓参りの模様などを撮影した写真を依頼者に送付し、サービスが行われたことを報告する。

 5月に利用した門徒の男性(64)=福井県越前市=は1人暮らしで、2年前から膝の具合が悪化。「墓まで階段を上るのも、草むしりでしゃがむのもつらかった。相談できる人もいない中、きれいにしてくれて本当にありがたい」と喜んだ。

 高田住職によると、先祖の墓が墓地内のどこにあるのかも知らず、長年放置し、雑草で荒れてしまうケースも多いという。「空き家問題同様、墓の管理も家庭内での話し合いが先送りされたまま時間が過ぎてしまいがち」と指摘。「少子高齢化や家族形態の多様化で墓守問題は今後さらに顕在化するはず。お盆や彼岸を前に、ぜひ相談して」としている。

 料金は一回につき1坪8千円(税別)。別途出張費として鯖江、福井、越前の各市は2千円(同)、その他の地域は3千円(同)が必要。他宗派の墓も対応できるよう検討したいという。

 また、墓じまい後に墓を同寺に移転し、一元管理するサービスも用意している。問い合わせは同寺=電話0778(52)6368。

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