関西電力は、7月20日に開始する大飯原発3号機(福井県おおい町)の定期検査で、作業員の新型コロナウイルス感染予防策として、感染者が確認されている地域から集まる作業員約600人に来県前にPCR検査を行う。陰性だった人だけ来県する。電力会社による原発作業員を対象にした大規模なPCR検査は極めて異例。感染拡大を懸念する地元に配慮した。関電が3日発表した。

 原発作業員のPCR検査は、中塚寛おおい町長が3回にわたり関電に申し入れていた。同町議会の原子力発電対策特別委でも実施を求める意見が上がっていた。中塚町長は3日、報道陣の取材に「一定の安心感が得られた」とした上で「首都圏を中心に再び感染者が増加傾向にあり大変心配している。最大限安全側に立って、柔軟かつ適切に対応いただきたい」と注文した。

 PCR検査の対象は、定検のために県外から集まる約900人のうち、最近2週間以内に感染者が確認されている東京都や大阪府などから訪れる約600人。定検に支障がないよう速やかに検査キットを配り、各自で唾液を検体として採取してもらい、民間の検査会社が回収する。約1週間後に結果が判明し、陰性だった作業員だけ来県する。

 PCR検査とは別に、定検開始の2週間前に当たる6日以降、県外からの約900人全員に体温などの体調を毎日記録してもらう。また、県内から集まる約900人と、現在の人員を合わせた計約3600人全員に対し、東京都など1週間連続で感染者が出ている地域への不要不急の往来自粛を徹底させる。

 このほかの関電の原発では、大飯4号機と高浜4号機はともに10月に定検開始の予定。高浜3号機は、蒸気発生器細管損傷の原因調査で通常定検とは異なる点検をしている。関電は大飯3号機以外でのPCR検査については「入構者数、今後の感染状況などを踏まえて検討したい」としている。10月開始予定の大飯4号機の定検について、中塚町長は報道陣に「一般的に感染症が流行する時期で、非常に危惧している」と述べた。

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