福岡県朝倉市で豪雨により増水し、波立つ筑後川とダム放流を知らせる電光掲示板(奥右)=7月7日午前11時33分

 停滞する梅雨前線の影響で九州は7月7日も北部を中心に猛烈な雨が降った。気象庁は福岡、佐賀、長崎3県の一部自治体への大雨特別警報を警報に切り替え、引き続き警戒を呼び掛けた。大分県日田市では筑後川が氾濫。熊本、大分県境の下筌(しもうけ)ダムは基準水位を越え、緊急放流に踏み切った。福岡県で初めて死者1人を確認。大牟田市では避難所が周辺の冠水で孤立し、県は陸上自衛隊に災害派遣を要請した。

 熊本県ではこれまでに全県で49人が死亡、4人が心肺停止。行方不明者11人の捜索が続いた。

 武田良太防災担当相は九州の豪雨について行政上の特例措置を通じて被災者を救済する特定非常災害の指定を検討すると明らかにした。

 福岡県によると、死亡したのは大牟田市の女性(87)。6日夜に冠水した自宅で見つかり、病院で死亡が確認された。同市で冠水した避難所は2カ所で、7日午前4時の時点で計200人以上が身を寄せていたという。

 筑後川の氾濫を受け、福岡管区気象台と国土交通省は午前8時35分、大雨・洪水警戒レベルで最高のレベル5に当たる氾濫発生情報を発表した。

 熊本県では山間部で多くの集落が孤立し、インフラが断絶。県などが住民を避難所に運んだ。北部の山鹿市では道路脇の田んぼに落ちた車の中から高齢の男女2人が心肺停止状態で見つかった。

 総務省消防庁によると、7日午前5時現在、避難指示の対象は九州全体(宮崎県を除く)で計約60万1771世帯、計約131万9306人。

 気象庁によると、東シナ海から東北に延びる梅雨前線に暖かく湿った空気が流れ込み、前線活動が活発化している。

 7日は熊本県南小国町で1時間に82・0ミリ、大分県日田市で80・5ミリの猛烈な雨を観測。24時間降水量は大分県日田市、福岡県大牟田市、熊本県山鹿市、長崎市でそれぞれ400ミリを超えた。

 8日午前6時までの24時間予想雨量は多い地域で九州北部250ミリ、四国、中国、東海200ミリ、九州南部、関東甲信180ミリ、近畿、北陸150ミリ、東北100ミリ。

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