ラグビーW杯日本大会でプレーするニュージーランドのB・バレット=2019年11月、味の素スタジアム

 ラグビーが待ち遠しい!

 先週から今週にかけ、そんな気分になれるニュースがもたらされた。

 トップリーグのサントリーに、ニュージーランド代表「オールブラックス」の至宝ボーデン・バレットが加入することが決定した。

 バレットはスタンドオフ、フルバックなど複数のポジションをこなし、世界最優秀選手を受賞すること既に2度。報道によれば1年契約での年俸は1億円以上といわれている。

 「ニュージーランド・ヘラルド紙」は、「この契約によって、バレットは世界でも指折りの高額年俸を手にすることになった」と報じている。

 ニュージーランド協会は、今回のバレットの来日を「サバティカル」と位置づけている。

 サバティカルの意味は、正確な翻訳が難しいが、充電のための長期休暇、といった意味合いになる。

 昨季まで神戸製鋼でプレーしたダン・カーターも一時期ニュージーランドを離れ、アメリカなどに滞在していたことがある(アカデミー賞にも出席していた)。

 オールブラックスのマネジメント側の解釈では、ワールドカップ(W杯)から次のW杯まで、4年間ずっと本国でのプレッシャーにさらされていては、プレーの質が落ちていくという。

 それよりは、異国で過ごすことで気分を切り替え、新たな創造性を養ってほしいという意図がある。

 バレットは「入団をとても楽しみにしているし、家族としても日本のライフスタイルや文化を経験できることを楽しみにしている」と話すが、サントリー、そして日本のラグビーシーンにどんな刺激を与えてくれるのだろうか。

 そして7月6日には、NTTコミュニケーションズに、スコットランドのスクラムハーフ、グレイグ・レイドローが参加することが明らかになった。

 レイドローと日本には因縁がある。2015年のW杯で南アフリカを破った日本は、次戦でレイドローが主将を務めるスコットランドに敗れた。その試合では、レイドローの冷静な判断、正確なプレースキックが際立った。

 そして昨年のW杯では、準々決勝進出をかけて両国が激突。日本が快勝したが、敗退が決まり、試合後に仲間との円陣の中にいたレイドローは涙を見せた。

 これまで、トップリーグでプレーするために来日する選手といえば、南半球の選手が中心だった。

 スコットランドからの来日は極めて珍しいが、年俸に加え昨年のW杯での日本の印象もプラスに働いたのではないだろうか。

 こういった形での「レガシー」もあるのだな、と感じる。

 レイドローの冷徹な状況判断、そしてFWを叱咤激励しつつ、どう動かしていくかが楽しみである。

 本来であれば、この7月にはイングランドが来日し、2試合を戦う予定だった。

 2020年の国際テストマッチは、新型コロナウイルスの影響で開催が難しい状況だが、大物二人の来日は素直に喜びたい。

生島 淳(いくしま・じゅん)プロフィル

1967年、宮城県気仙沼市生まれ。早大を卒業後広告代理店に勤務し、99年にスポーツライターとして独立。五輪、ラグビー、駅伝など国内外のスポーツを幅広く取材。米プロスポーツにも精通し、テレビ番組のキャスターも務める。黒田博樹ら元大リーガーの本の構成も手がけている。

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