JA福井県は7月5日、4月に発足して初の通常総代会を福井市の福井基幹支店で開いた。総代会終了後、代表理事組合長に就いた冨田勇一氏(71)=坂井市=が記者会見し「(農産物販売などの)経済事業の改革は避けられない。JA県経済連を含めた組織の在り方を変えていかないといけない」と抱負を述べた。
初代組合長には田波俊明氏(69)=敦賀市=が就任したが、経済事業の在り方を巡る対立で過半数の理事が辞任を求め、総代会終了をもって組合長を交代することを決めていた。
対立の一因にもなった組合員の所得に関わる経済事業の改革について冨田氏は「(農産物販売などを担っている)経済連の機能はJA福井県の中に限りなく取り込んでいかないと、組合員の理解は得られない。摩擦は生じると思うが、改革は避けて通れない」と不退転の決意を示した。
二分したという理事の融和に向けては「対立を解消してスクラムを組んでやっていかないといけない」とノーサイドを強調した。
総代会は5時間に及び「こんなに時間がかかったのは初めてで、いろんな問題が山積していることが分かった。職員や組合員との対話を大事にして、一つ一つ解決していきたい」と意気込んだ。
経済連を含むJA県5連の会長については「現時点ではJAの組合長が就くのが規定の上での流れ」と、今後行われる予定の会長選挙に立候補する意向を示した。