採用活動のオンライン化などについて意見を交わす参加者たち=6月29日、福井県福井市の「akeru」

 福井県内の経営者や企業の人事担当者によるトークイベント「ゆるパブオフ会」が6月29日、福井市内で行われ、新型コロナウイルスの影響でオンライン化が進んだ採用活動や社内コミュニケーションの在り方について話し合った。企業の採用活動や業務は今後、どう変化していくのか。これまでの実績や事例も踏まえ、新しい会社の在り方を探った。

■参加者

 飲食店を展開する「ぼんたグループ」(福井市)の齋藤敏幸社長
 建設業「道端組」(福井市)の道端健太専務
 業務用制服販売の「ユニフォームネクスト」(福井市)人事チームの清水千奈未さん
 ファシリテーター:人材採用コンサルティング「akeru」の大連達揮社長
 遠隔:慶応大学特任准教授の若新雄純さん
    HRコンサルタント女性

■採用のオンライン化

 ユニフォームネクストではコロナの影響に伴いこれまでの採用活動を展開することができず、ウェブ会社説明会を開いた。YouTubeのライブ配信を使い、さらに動画をアーカイブすることで就活生がいつでも見られるようにするなどオンライン化を進めた。採用まで1度も実際に対面することなく採用に至ったケースもあるという。

 ただ、採用活動をすべてオンライン化することには否定的な考え。例えばインターンシップ。清水さんは「私の価値観なんですけど、インターンシップっていうのは会社の仕事を体験するもの。会社の中に入って仕事したりとか会雰囲気を感じ取ってミスマッチを減らすものだと思うので、ウェブだと会社の雰囲気も伝わらないですし、できることも限られてしまうので、お互いにプラスにならないなって思います」と語り、リアルとオンラインをうまく使い分けることで企業の間口を広げられるとした。

 売り手市場の傾向が続いた就活環境の中で、学生の注目を集めるためにはツイッターの活用も有効と話すのは大連さん。人事担当者の個性が感じられる「つぶやき」によって、就活生にその企業への親近感を持ってもらうという取り組みだ。「ツイッターの内容が面白いから」と採用に結び付いた例も実際にあるそうだ。

 とはいえ、数多ある企業の中で地方の中小企業が県内外の学生を振り向かせるのは難しい。大手の就職ポータルサイトに登録しても、思ったような成果が得られないのが現状だ。若新さんは解決策として、福井県内のオンライン説明会を行っている企業がそろったサイトの開設を提案した。

 「福井はみんなオンライン説明会、採用を進めてるって打ち出せばいいんじゃないかな。オンライン説明会を開くこと自体が家にいながら福井の企業を知るきっかけにもなる。ポータルサイトも兼ねるし、ただ企業を紹介するだけでなくて説明会動画を見て、興味があればエントリーしてZoomで面接という流れを作れば、それだったら受けてみようかなっていう気に学生がなるんじゃないかな」

 これに齋藤社長も賛同。「いつでも見られる入り口みたいな動画だけ置いておいて、気に入ったらリーチできるみたいな。基本料でサブスクとかだとしんどいと思うから、だから成果報酬の形にすればいい。サイトを作るのも、そんなにお金かかんないんじゃないのかな」とアイデアを掘り下げた。

 特に県外の大学に進学した学生にとって地元の企業説明会のたびに帰郷しなければいけないのは負担が大きく、その手間をオンライン化によって省くことでUターンの促進にもつながりそうだ。HRコンサルタントの女性はこう言う。「特に今、熱を上げているのが中小企業です。大手は採用も大きな方針の中にあるので、1、2年しぶるかなっていう感じ。中小企業が細かく学生と連携を取ってきて、これまでインターンシップなどで学生とリレーションがすでにできているので、採用イベントとかに出なくても、そこをしっかり押さえていけばいいんじゃないかみたいな感じになってきている。今こそ中小が大企業に勝てるんじゃないって、大企業とは別の戦略で歩き出しているところはあります」

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