本人登場前からメンバーたちがいきなり聴かせる、みせつける超絶テクニックの数々。これはすごいライヴに違いない、という予感が開始数分ですでにビシビシ伝わってくる。ユーゴスラビア出身のブルーズ・ギタリスト、アナ・ポポヴィッチ。今や押しも押されもせぬ実力と人気を誇る彼女の、待望のライヴ作品が届いた。

 疾走感のある楽曲の数々が惜しみなく披露されるが、アナ含めどのメンバーもとにかくうまい、うまさがみなぎっていることは私にもわかる。それでいて冷静なものではなく、みずみずしさや熱を感じて、思わず体が動いてしまう。ライブのために生きる。ライブこそ我が命。そう言っていい人は限られているかもしれないけれど、彼女はまぎれもなくその言葉にふさわしい一人だと感じ入った。

 同時にCDもリリースされているが、是非、この美しい指さばきを目撃してほしい。ただファンだからとか憧れているからとかだけでなく、人が音楽が奏でる、美しく巧みな音を生み出すその技の高みに「人間ってすごい」と、胸が熱くなる。そうだった、ライヴの感動はそんな部分にもまたあるのだと、改めて気づかせてくれる名作だ。

(BSMFレコーズ・4000円+税)=玉木美企子

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