【論説】新型コロナウイルスの影響でストップしていたプロスポーツが、プロ野球を皮切りに動きだした。27日にはサッカーJ2が再開し、J3が開幕した。スポーツのある日常が戻ってきたが、感染防止のため当面は無観客で試合を行う。一方で、運営側は試合形式やゲームの見せ方に工夫を凝らす。新型コロナ禍で競技場に足を運べない中、スポーツ観戦の「新様式」を楽しみたい。

 19日に開幕したプロ野球はレギュラーシーズンを143試合から120試合に短縮。セ・リーグはクライマックスシリーズ(CS)を取りやめ、レギュラーシーズン覇者がそのまま日本シリーズに進む。同一カード6連戦を導入したパ・リーグは、3連戦が基本だった戦略が異例の日程でどう変わるか、興味は尽きない。

 スタンド席に応援ボードを並べたり、球場の大型ビジョンに選手へのメッセージや応援動画を映し出したりと、ファンの応援のあり方も様変わりしている。一方で、無観客によりボールがミットに収まる音、打球音、ベンチの選手の声がテレビを通じて聞こえるのも新鮮で、新たな魅力に引き込まれる。

 福井県内でも野球の独立リーグ、ルートインBCリーグが約2カ月遅れで20日に開幕した。東西2地区制から東、中、西の3地区制に変更。前後期制の計70試合を通期制60試合に改めた。感染防止のため近隣球団との対戦を多くし、西地区所属の福井ワイルドラプターズは滋賀と40試合、石川、富山と各10試合を戦う。2時間45分を超えると次のイニングに進まない特別ルールも採用した。

 無観客ならではのファンサービスにも力を入れる。福井はユーチューブの公式チャンネルで試合をライブ配信。球団社長自ら試合の実況解説をしたり、視聴者からの質問コメントに答えたりしている。選手の特徴やプロフィルを織り交ぜるなど、飽きさせないアイデアで試合を盛り上げている。

 25日に4カ月遅れで開幕した国内女子ゴルフは、通常のテレビ放送はなく、全ラウンドをインターネットで生中継した。

 労使対決で揺れた米大リーグは7月下旬に開幕。同地区内の対戦を中心に60試合の予定で実施し、延長戦の場合は、走者を二塁に置いて始めるタイブレーク制導入もあるという。

 いずれのスポーツも従来とは異なる戦い方の中で、どのようにファンを魅了するか腐心する。新たな試みに楽しみを見いだしながら、競技場を埋め尽くした観客がつくり出す「熱狂」という醍醐味(だいごみ)を味わえる日が一日でも早く戻ってくることを待ちたい。

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