福井県内で初めて行政代執行で解体される「特定空き家」=福井県あわら市中番

 福井県あわら市は、同市中番の築71年の「特定空き家」について、倒壊などの危険性が極めて高いとして「空き家対策特別措置法」に基づき、行政代執行での解体を行う。所有者らがいない場合に行う略式代執行は県内で過去に4軒あったが、所有者がいる場合に実施する行政代執行は県内初。費用は全額所有者に請求する措置で、7月中に取り壊しを始める。

 6月25日の入札で解体費用は214万円と決まった。

 市によると、所有者や相続人がいない場合に、国や県の補助がある略式代執行での空き家撤去は県内であわら市2軒のほか越前町、小浜市で各1軒の実績がある。

 中番地区の空き家は木造瓦ぶき2階建てで、延べ床面積は100平方メートル。壁の至る所に穴が開き、柱が欠けるなど強度が弱っている。強風時には近隣住宅に端材が飛び散る被害が出ており、倒壊寸前の危険な状況という。

 あわら市はこの物件を2018年7月に特定空き家に認定し、所有者に対して19年7月以降、特措法に基づき「助言・指導」「勧告」「命令」のステップで撤去を要求したが、所有者は「撤去費用がなく、自分ではできない」との回答が続いたという。24日が解体期限で、行政代執行による措置に踏み切ることになった。市によると、建物の土地は所有者のもので、土地を売却させるなどして費用を徴収する方針。

 市は17年度以降、21件の特定空き家を認定し、市の指導を受けて所有者が撤去した7物件を含め、計9件を撤去している。

 市民協働課移住空き家対策グループの担当者は「所有者の同意を得ながら段階を踏んできた。大規模な自然災害が増加する中で、今後もスピード感を持って対応していく。まだまだ使える物件については、空き家情報バンクなどを通して利活用を進めたい」とした。

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