県道沿いに並ぶ木彫りの作品と高木勇治さん=福井県越前市中津原町

 ずらりと並ぶ七福神、お地蔵様、コウノトリ…ここは野外美術館!? 福井県越前市中津原町の高木勇治さん(84)が、自宅近くの県道沿いに自作の木像を展示している。表情豊かな作品は道行くドライバーや近所の人たちに癒やしを与えており、「新型コロナウイルスで沈みがちな世の中、少しでも和んでもらえたら」と話している。

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 長く農業を営んでいた高木さんは、50年ほど前に趣味で木彫りを始めた。砂防ダム工事や林道整備で切り出された不要な木材を譲り受け、自宅近くの工房で製作に励んでいる。

 材料となる丸太が大きいため、出来上がる作品も巨大だ。チェーンソーを駆使して大まかに形を整え、ノミなどを使って丁寧に仕上げていく。1体の製作期間は短くても1カ月はかかるといい、工房内にはこれまでに作った仏像など2メートル超の作品が所狭しと保管されている。

 かつては美術展に出品したり、個展を開いたりもしたというが、今は「好きなときに、好きなものを自由に作るのが楽しい」と高木さん。多くの人に見てもらいたいと、工房前の県道沿いの空き地に7、8年前から展示を始めた。

 大黒天、恵比寿天、布袋尊などにこやかな顔の七福神とお地蔵様が横一線に並び、エサをついばむコウノトリが列のトリを務める。台座を含めると高さ1・5メートル~2・4メートルの大作ぞろいで、インパクトは十分。車を止めて写真を撮る人も少なくないという。

 5年前に農業をリタイアした後は、1日6時間ほど工房にこもり創作活動を続けている。現在は、東京五輪を記念した聖火ランナーの木像を製作中。高木さんは「昨年11月に取りかかり夏までに完成させようと急いでいたが、1年間余裕ができた。じっくりと仕上げたい」と話していた。

 野外展示は4月から12月まで。雪の降る時期は「除雪のじゃまになるため」(高木さん)工房に移動させるという。

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