昨年12月、ツアー最終戦を終えて渋野日向子(左)、鈴木愛(中央)と記念撮影する申ジエ=宮崎CC

 日本人の生活にプロ野球が戻り、この週末には日本の女子ゴルフツアーが始まる。

 第1戦となるのは、6月25日から千葉県で始まる「アース・モンダミン・カップ」だ。

 本来、女子ツアーの開幕戦は3月の「ダイキン・オーキッド・レディース」(沖縄県)だったが、新型コロナウイルスの感染拡大によって中止。結果的に4カ月近く開幕が遅れ、シーズンも今年と来年が統合された形での開催となる。

 女子ツアーは昨年、渋野日向子が全英女子オープンで優勝し、注目度がグンと上がった。

 渋野、勝みなみ、小祝さくら、原英莉花らの「黄金世代」の台頭もあり、今年のシーズンでは37戦が予定されていた。

 営業面で見れば上り調子だっただけに、コロナウイルス禍の影響をもろに受けた格好だ。

 結果的に開幕戦となる「アース・モンダミン・カップ」は、スポンサー企業の強い意志によって開催が決まった。

 ただし、感染防止のためのガイドラインはかなり厳しいもので、メディアの入場もごくごく少数に限られている。

 無事に大会が開かれることを祈るばかりだが、現状の女子ツアーのスケジュールを確認すると、次戦は8月14日に始まる「NEC軽井沢72」(長野県)となってしまう。7月に予定されていた大会は、すでに中止が決まっているからだ。

 関係者は、「感染の状況次第では、8月以降のトーナメントもどうなるか分からない」と不安をのぞかせる。

 なぜ、早々と開催中止の判断がされてしまったのか? この背景にはゴルフトーナメントの成り立ちが関係してくる。

 大会では、試合に先立ってアマチュアゴルファーとプロの交流の場である「プロアマ」の機会が設けられる。

 スポンサー企業によっては、プロアマが得意先との関係を強化する重要な場であり、会社の営業に重要な意味を持つ。

 ところが、今年は新型コロナウイルスの感染防止対策として、関係者以外の会場への立ち入りは厳しく制限されており、プロアマの実施が難しい状況となっている。

 「プロアマができないのなら」と、開催を断念する企業が相次いでいるのは、もしもプロアマの場で感染が起きてしまったら、という不安がぬぐえないからだ。

 ゴルフは屋外競技ということもあり、感染のリスクは屋内競技と比べて少ないと考えられてきたが、いざトーナメントを開くとなると簡単にはいかない。

 また、日本を舞台に活躍してきた韓国の選手たちの入国も厳しい状況で、今後の展開も予想できない。

 日本の女子ツアーの状況を概観すると、正常化への道のりは長いと思わざるを得ないが、たとえ1試合であってもトーナメントが戻ってくることを歓迎したい。

 今週末のスポーツニュースでは、渋野らの活躍が大きく取り扱われるはずだ。

生島 淳(いくしま・じゅん)プロフィル

1967年、宮城県気仙沼市生まれ。早大を卒業後広告代理店に勤務し、99年にスポーツライターとして独立。五輪、ラグビー、駅伝など国内外のスポーツを幅広く取材。米プロスポーツにも精通し、テレビ番組のキャスターも務める。黒田博樹ら元大リーガーの本の構成も手がけている。

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