【論説】越前市に新設される北陸新幹線駅の駅名候補を決める選定作業が着々と進んでいる。現在8案にまで絞られており、今後さらに絞り込んで最終的にはJR西日本が決定する。長らく「南越駅」と仮称で呼ばれてきたが、どんな名前に落ち着くのか。県内で唯一新しく建設される駅だけに、県民の関心は高い。

 2023年春に県内に延伸する北陸新幹線の駅は、芦原温泉、福井、南越(仮称)、敦賀の4駅。このうち既存駅と併設しない新設駅は南越のみとなる。駅名候補を決める選定委員会は5月15日に発足し、地元の経済界、観光、市議会、学生、行政の代表者ら6人の委員が協議を重ねている。

 駅名候補を選ぶ際の方針として定めたのが▽具体的な位置情報を持ち全国の人に分かりやすい▽読みやすく、言いやすい▽既存の武生駅との関係性が明確▽丹南地域の玄関口としてふさわしい―の4点。この方針を基に、5月26日の第2回会合では6委員から計13案が提出され、審議の結果▽越前武生(たけふ)▽新武生(たけふ)▽越前市▽南越たけふ(武生)▽越前▽武生新▽南越▽越前国府―の8案に絞られた。

 これらの案について1カ月間、丹南5市町から意見を募った上で、7月下旬の次回会合で5案程度に絞る。さらに選定委が絞り込んだ複数の最終案を、8月上旬にJR西日本に提出する。最終的には決定権を持つJR西が、21年春に新駅名を決めるスケジュールとなっている。

 ちなみに、15年3月に開業した北陸新幹線長野―金沢間には、越前市の駅のような新設駅が▽上越妙高(新潟県上越市)▽黒部宇奈月温泉(富山県黒部市)▽新高岡(同県高岡市)―の三つある。駅名の決め方はさまざまだが、上越妙高は仮称の上越から、黒部宇奈月温泉は仮称の新黒部から、いずれも公募を経て決まった。新高岡は結果的に仮称がそのまま正式名称となったが、市民アンケートで広く案を募った。

 越前市の新駅に関しても、丹南5市町から意見を聞く期間を設けてはいるものの、選定方法の一つに公募を採用してもよかったかと思う。膨大な案が寄せられると選定作業は大変になるが、多くの人が駅名を決める機会に触れることで、新駅をより身近に感じてもらえたのではないか。

 いずれにせよ、沿線自治体としこりを残さない方法で進めることが大事だ。福井県民には親しみやすく、県外や海外の人には分かりやすい駅名になるよう知恵を絞ってほしい。

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