武生東高校の書道部が書き上げた激励メッセージ=6月17日、福井県越前市の同校

 新型コロナウイルスによる長期休校で活躍の場を奪われた福井県越前市の武生東高校の生徒たちが6月17日、もやもやした気持ちを打破しようと屋外で書道パフォーマンスや合唱を披露する特別イベントを開いた。書道部員は全校生徒に向けた激励メッセージを大紙いっぱいに揮ごう。今回で部を卒業する3年生は「発表の場を設けてくれたことに感謝。これでけじめがついた」と笑顔で語った。

⇒頑張った部活、伝えたい思い

 勢いよく大筆を振るった1画目。気持ちを込めた真っ赤な墨は、真っ白な大紙の外までほとばしった。

 浮き上がった言葉は「顔晴(がんば)ろう」。書き上げた書道部唯一の3年生、吉野友麻部長が休校中に、後輩部員18人とスマートフォンでやりとりしながら考えた激励メッセージのキーワードだ。「マスクをしていると思うように笑えないこともあるけど、どんなときでも晴れやかな笑顔でいよう」。全校生徒524人に向けた激励の気持ちを筆に乗せた。墨で顔を汚した吉野部長は「今までで一番いい字が書けた」と語った。

 5月上旬、恒例だった地元の祭りでの発表がなくなった書道部が発案し、生徒会が今回のイベントを企画した。感染予防のために舞台は校舎裏の屋外広場。オープニングでは合唱部8人が2曲を披露し、密集を避けて校舎の窓や離れた場所から見守った生徒たちにハーモニーを届けた。

 生徒会長の大塚新さん(3年)は「わくわくできた。やってよかった」と満足げ。教員の1人は「本当はどの部活にも活躍の場をつくってやりたい。気持ちを切り替え、前向きに進んでほしい」と生徒を思いやった。

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