定期予防接種を受ける子ども。小児科医は「接種は予定通りに」と呼び掛けている

 新型コロナウイルス感染への不安から、子どもの定期予防接種を控えていませんか?-。厚生労働省は6月、一般向けに予定通りの接種を呼び掛けるリーフレットを出した。福井県小児科医会会員で福井赤十字病院小児科部長の渡邉康宏医師は「予防接種を遅らせることで、新型コロナ以外の重い病気にかかる危険性が高まる。時期がきたら速やかに受けて」と話す。

 定期予防接種は「予防接種法」に基づいて行われ、生後2カ月~7歳の間では▽ヒブ(インフルエンザ菌b型)▽小児用肺炎球菌▽B型肝炎▽四種混合▽BCG▽麻しん・風しん▽日本脳炎-などのワクチンを公費負担で接種できる。

 渡邉医師は「例えばヒブや肺炎球菌に感染すると、細菌性髄膜炎につながる可能性があり、重症化すれば後遺症が出たり、命を落とす恐れがある」とし、「予防接種でそれらの病気を防ぐことで、子どもたちのリスクを減らすことが期待できる」と説明する。

 いずれも、住んでいる市町から届く通知を実施医療機関に持参して個別で受ける。ヒブの場合は生後2~7カ月での接種開始が推奨されているなど、それぞれ対象年齢・月齢が細かく定められている。「お母さんからもらった抗体がなくなるころにワクチンによる抗体ができるよう予定が組まれているものもある。接種できる時期が来たらできるだけ早めに受けた方がよい」(渡邉医師)。

 福井赤十字病院では、新型コロナの影響で「接種を遅らせたい」という問い合わせが多数あり、予定通り接種するよう促したものの、10件ほどの予約キャンセルや延期があったという。

 接種に行く際、体調不良で受診する人と診察場所や時間を分けている医療機関もあるので、事前にホームページや電話で確認・予約するとよい。従来通り、我が子の体調が悪くないかもきちんと確認が必要だ。

 病院内でも注意するポイントがある。日本小児科学会は新型コロナの感染拡大を防ぐため、▽可能な限り、きょうだいや祖父母などの同伴を避ける▽便の中にウイルスが排せつされる可能性が指摘されているため、院内でオムツを替えない-との方針を示している。

 渡邉医師は「予防接種は子どもを重い病気から守るためのもので、不要不急ではない。新型コロナへの感染対策を心がけつつ、予定通り接種できるようにしてほしい」と話している。

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