【論説】新型コロナウイルス対策を盛り込んだ2020年度第2次補正予算案が、きょう参院で可決され成立する。2次補正後の予算総額は約160兆2600億円。新規国債発行額は年度全体で90兆2千億円に上り、歳出の56・3%を借金で賄うことになる。将来世代に巨額をつけ回す政策でありながら、大盤振る舞いを「丼勘定」で行おうとしていると言わざるを得ない。

 とりわけ不可解なのは、コロナの影響で収入が大きく減った中小企業に最大200万円を支給する持続化給付金事業だ。1次補正では一般社団法人が769億円で受託した後、広告大手の電通に749億円で再委託。電通が外注した数社によるさらなる外注も明らかになった。「公金の中抜き」批判が強まり、経済産業省は第三者委員会による異例の検査を開始せざるを得なくなった。

 しかし、この検査についても野党から「時間を稼いで、疑惑を隠すつもりだ」との批判が上がっている。競争入札の経緯にも、事前に打ち合わせをしていたり、他の応札業者の入札価格を黒塗りにしたりするなど不透明さは否めない。再委託や外注が重なれば、カネや人の流れが把握しにくくなり、予算の適正な執行が損なわれる恐れがある。

 持続化給付金事業は2次補正にも850億円が計上されている。梶山弘志経産相は委託先を明言していないが、早急な支給を考えれば、1次を踏まえるしかない。安倍晋三首相は「事業終了後に精算し、真に必要となった経費のみを支払う。不正な利益を得る余地はない」と述べている。ならば、経産省と近い業界による癒着との疑念を晴らすためにも、徹底した検査、情報公開が欠かせない。

 他にも1次補正で総額の2割近い3095億円もの委託費を見込んだ「Go To キャンペーン」や、2次補正で942億円の委託費を計上しリクルートが受託予定の「家賃支援給付金」など経費の内訳が見えてこない事業が多くある。さらには、首相が「国内総生産(GDP)の4割に上る空前絶後の規模」と述べたのに合わせて各省庁が「金額ありき」で積み上げた事業も少なくない。

 2次補正で10兆円もの巨費を計上した予備費も問題だ。政府の裁量で使途が決められ、不透明で不要不急の事業が計上される可能性も否定できない以上、国会の監視機能は欠かせない。なのに政府、与党は17日に国会を閉幕する方針を変えていない。そもそも、東京五輪・パラリンピックを想定した会期であり、1年延期になったことを思えば、延長は無論、通年国会であってもおかしくない。それほどの非常時だという認識があってしかるべきだ。

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