正副議長候補を選んだ県会自民党の総会=6月9日、福井県会議事堂

 福井県議会の次期正副議長候補を選出した最大会派県会自民党の6月9日の総会は静かに終わり、はた目には円満決着に見えた。実はこの1週間、副議長ポストを巡って会派分裂含みの駆け引きが繰り広げられていた。

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 ■ほっとした表情

 総会は冒頭を除き非公開で行われた。正副議長候補を承認する拍手に続き、長老議員が発したとみられる大声が廊下に漏れ聞こえた。「北陸新幹線の大阪延伸に向けた大仕事が控えている。議員同士あまりけんかしないようにせんとな」

 終了後、控室から出てきた山岸猛夫会長は「内部ではいろいろな話があったように聞いているが、一本化できてよかった」とほっとした表情で語った。

 ■2人があいさつ回り

 県会自民党の正副議長候補選びには、当選回数の期数順に未経験者を優先する暗黙のルールがある。今回は議長候補が4期目の議員、副議長候補は3期目からという流れだった。4期生たちは最年長の畑孝幸氏を議長候補として推すことで固まった。一方、3期生たちは、副議長を経験していない4期生の1人を副議長候補とすることでいったんまとまった。

 ただ、この4期生は過去に自民党を離れた時期がある。会派内には「政党歴に関係なく4回の当選を重視する必要がある」として、この議員が副議長候補に名乗りを上げることを支持する声が多数あった。だが2期生たちの受け止め方は違った。「私たちより会派の在籍が短い。認められない」。複数の関係者は声を潜めて内情を証言する。

 6月2日の会派総会。執行部は3、4期生の意向を踏まえ、9日の総会で正副議長候補を選ぶことを報告した。すると会合終了後、2期生の1人が副議長に立候補する意志を会派の幹部に伝えた。副議長候補を1人に絞る会派内の選挙を見据え、2人がそれぞれ「あいさつ回り」で票固めをする異例の展開となった。

 ■知事選のしこり

 「選挙で接戦になれば大変なことになる」。会派分裂を危惧した3期生たちは立候補に意欲を示していた4期生の1人と話し合った。この4期生は断念し、3期生の島田欽一氏が名乗りを上げることになった。2期生の1人も取りやめた。

 副議長ポストを巡る駆け引きの根底には、昨春の知事選で生じた亀裂があると見る向きは少なくない。

 正副議長候補になった2人は、知事選で西川一誠氏を支援するグループに所属した。当初、副議長候補を目指していた4期生の1人も西川派として活動した。一方、副議長への立候補を一時模索した2期生の1人は知事選で杉本達治氏を支えた。現在の正副議長も杉本派だけに、ある関係者は「『どちらか一つのポストは確保したい』との思惑があったのだろう。会派分裂の火種は今後もくすぶり続ける」と語った。

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