福井県の保護司の年齢

 犯罪や非行をした人たちの更生を支える保護司のなり手不足が深刻だ。地域のつながりの希薄化もあり、人員確保は年々困難に。高齢化も顕著で、現役保護司の3分の1が今後7年の間に年齢制限で退任する。企業や官公庁の定年延長でなり手不足が加速するとして、地域が独自に保護司活動への理解を広める動きも出ている。

 福井保護観察所によると、福井県内の保護司は5月25日現在、定数435に対し413人。定員充足率は95%に迫り全国的にも高い水準を維持しているが、過去10年で最低になった。

 ボランティアの立場として保護観察制度の根幹を担う保護司の確保は、退任時に地域内から後継者を“スカウト”するのが慣習だ。同観察所の佐々木淳二企画調査課長は「県内の高い充足率は、高い地域力の上に成り立っている」とする。一方で「長い目で見ると適切な人員の減少とともに、保護司が減っていくのは明らか。地域のつながりの薄い新興住宅地は特に難しく、保護司不在の空白地を埋めるのは困難を極める」と危機感をにじませる。

 高齢化も顕著だ。2014年に78%で全国平均以下だった60歳以上の県内保護司の割合は、19年には82・5%となり5年間で全国平均以上に転じた。原則66歳を超えての新任はできず、再任時は76歳未満という法務省が定める条件もあり「65歳定年の流れが進めば、10年ほどの活動しかできないことになる。人員確保はもちろん、技術の継承もますます難しくなる」(佐々木課長)と、根本的な制度改革の必要性も高まっている。

 福井市東安居地区では昨年、保護司や公民館、自治会連合会などでつくる「社会を明るくする運動推進協議会」が発足した。発起人の保護司の70代男性は「保護司の持つつながりだけで後任を選ぶのは限界にきている」と強調する。昨年は新任保護司候補2人の選出につながり、今後は活動への理解を深める講演会や街頭啓発活動も計画する。「活発な活動には地域の協力が不可欠。各種団体と協力し、若い世代も巻き込む活動に広げていきたい」と意気込む。

 【保護司】法務大臣から委嘱を受けた非常勤の国家公務員で、実質的には民間のボランティア。法務省の専門職員である保護観察官と連携し、犯罪を起こした人や非行少年らの社会復帰を、定期面談や相談に乗って支える保護観察が中心的な役割。刑務所出所後のスムーズな社会復帰に向けた生活環境調整や、社会を明るくする運動などの犯罪予防活動も担う。

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