仕切りが設けられたランチルームで給食を食べる生徒=6月5日、福井県の坂井市立丸岡南中学校

 約3カ月ぶりに再開した福井県内の小中学校で、給食の風景が様変わりしている。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため多くの学校が机を合わせない「スクール形式」を採用。ランチルームがある学校は、板で“個室”のようにテーブルを仕切り、配膳不要のパック詰めに変更した市町も。談笑など給食の楽しみを奪われた子どもたちを少しでも和ませる取り組みも見られる。

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 福井県教委がガイドラインに「会話を控えるとともに、会食の時間をずらしたり、空き教室を活用して定員の2分の1にしたりするなど工夫を」と明記したことを受け、県内の各学校は独自の対策を講じている。

 これまで、全学年がランチルームで長方形のテーブルを挟んで、約10人ずつが向かい合って食べていた坂井市立丸岡南中学校。再開に向けた5月中旬、教職員総出で高さ約45センチの仕切り板を製作、板で正面と左右の3方向を仕切り一人一人の食事スペースをつくった。

 両隣に座らないようにするなどしたため、2年生126人は隣接する理科実験室などに移った。配膳場所は1カ所しかないため、学年、性別ごとに時間をずらした。間隔を空けて並んでもらおうと床にシールも貼った。平田昌彦教頭は「友達と話せず、顔も見えない孤独な食事だが、不満をもらさず我慢してくれて本当にありがたい」と生徒を思いやる。

 複数の市町は、配膳不要のパック詰めに変更した。このうち、勝山市内の3中学校は6月12日まで主食をおにぎりなどにした。汁物はなく、おかずも1人分ずつの弁当のように詰められ、市内の業者から届く。

 パック詰めは、主食の量があらかじめ決まっており、生徒によって多かったり少なかったりするのが難点。こうしたことから勝山中部中学校は、給食が始まる前に希望を聞き、いらない生徒のおにぎりを別の生徒に分けている。

 1年の男子生徒は「おいしいし、量が足りなくても分け合っているので大丈夫」と笑顔。山口政則校長は「家庭で弁当を作る負担を考えると、こうした形でも給食を提供できているのは良いこと」と話した。

 福井市教委は、配膳しにくい汁物を減らすなど給食当番の人数を減らす工夫をしている。前を向いて無言で食べる指導をしていることから、教室のテレビで足羽山公園遊園地の動物紹介や、市自然史博物館の学芸員による昆虫や鳥の解説DVDを流している学校もある。

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