新型コロナウイルスの電子顕微鏡写真(国立感染症研究所提供)

 新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めが増える中、自治体の福祉事務所で生活保護の申請の受け付けを拒まれる事例が相次いでいる。突然仕事や住まいを失った人々に追い打ちをかける形で、支援者は「生活保護は憲法の生存権に基づく制度。申請する権利を尊重してほしい」と訴えている。

 生活保護は、生活に困っていれば誰でも申請でき、福祉事務所が生活状況などを審査して支給の可否を決める。ただ業務が多忙などの理由で追い返すこともあるとされる。福祉関係者の間では受給者増加を防ぐための「水際作戦」と呼ばれ、これまでもたびたび問題となってきた。

 生活困窮者の支援をするNPO法人「POSSE(ポッセ)」(東京)には、水際作戦が疑われる相談が3月下旬から5月中旬にかけて20件程度寄せられた。20代男性は新型コロナの影響で仕事がなく、4月に福祉事務所を訪れたが、相談員に「実家に帰った方が良い」と拒否された。後日スタッフが同行すると申請できた。

 他の支援団体関係者によると、路上生活者(ホームレス)に乾パンを渡して追い返す例や、「忙しくて手が回らない。明日以降にしてほしい」と断った事例もあった。

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