福井県庁=福井県福井市

 福井県が、新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査の検体に唾液を使う方法の準備を進め、6月中の導入を目指していることが3日分かった。鼻の粘液を採る従来の方法に比べ医療従事者の感染リスクが低く、より多くの人を効率的に検査できる。感染の第2波対策として期待されており、今後は県医師会や専門家と協議し検討を進める。

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 厚生労働省は2日、唾液を使うPCR検査の実施を認め、都道府県に通知。福井県では既に、感染者数人に対し唾液による検査を試験的に行っており、導入に向けた課題を探っていた。

 鼻の奥の粘液を綿棒で採る従来の方法は、せきやくしゃみが出やすく、検体を採取する医療従事者に感染のリスクがある。病院で採取する場合、医師や看護師の防護服の着脱、採取後の部屋の消毒を含め1人につき30~40分かかっていた。

 唾液を使う検査は本人が容器に唾液を出すだけで済むため、短時間で感染の危険性も少ない。一方、容器の外側などに唾液が付着する可能性がある。福井大医学部附属病院感染制御部の岩崎博道教授(感染症学)は「採取する医師の感染リスクは減るが、容器に手を触れ検査する人の感染リスクが高くなる恐れがある。容器の形や採取の方法については、統一基準が必要ではないか」と提案する。

 唾液は鼻の粘液に比べウイルス量が少なく、検査精度が低いとの懸念もある。厚労省は唾液検査は症状が出てから9日以内の人を対象としている。県保健予防課は「長時間経過した唾液でも検査結果に影響がないのか、紫外線が当たっても問題はないのかなど、細かい課題を洗い出し、精度の高い検査にする必要がある。鼻の粘液か唾液のどちらを主の検査とするかは、専門家や県医師会の意見を参考にしながら検討していきたい」としている。

 現在、県内では医療機関や県の施設など13カ所で検体採取を行っている。

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