フリースクール「福井スコーレ」代表の小野寺玲さん

 「学校に行きたくない」。学校が再開され子どもにそう言われたとき、保護者はどうすればいいのか。自身も中学校で不登校の経験がある、福井県福井市のフリースクール「福井スコーレ」代表の小野寺玲さん(30)は「敵対せず、共感的に接することが非常に大切。まずは、逃げ道を作りながら、学校に行く後押しを」と訴える。

 起きてこなかったり、腹痛を訴えたり…。「子どもにも、行かなければという気持ちはある。それでも訴える子は相当しんどい状態。軽々しく言っていない」と小野寺さん。

 自身が嫌だったのは、感情的に「なんで行かないの」「行かなきゃ駄目でしょ」と責められることだったという。

 「つらい子にとって学校は敵に近い。家族も敵になると、世界中が敵に見える」。怒ることは、もともとつらい子を、さらに突き落とすことになる。

 問題解決も遠のく。「敵に情報は渡さない。自分は親にもスクールカウンセラーにも、行かない理由を絶対言わないと決めていた。どうせ否定されるから」

 大切なのは親子の関係性。無理に理由を引き出さず、柔らかいトーンで「つらいことがあるんだね」「一緒に解決したい」とメッセージを送ろう。良い関係性さえ保てれば、対話をくり返して解決の糸口が見えることもある。休ませても、また翌日、後押ししながら話を聞こう。

 ただ「行かなくていいとすぐ言わず、まず登校を後押しして」と小野寺さん。学校に苦手意識のある子は、しばらく行っていないことで不安が大きくなっている。「慣れれば治まるかもしれない」と期待する。

 大切なのは、逃げ道をセットにすることだという。例えば「つらかったら途中で帰ってきてもいいから、行ってみない?」と提案してみる。夕方までずっといなければいけない、ということが重荷の子もいる。「帰ったら、嫌だったことを教えてね」と優しく送り出そう。本当に途中で帰っても、全く行かないよりは前進。「でも本当につらくて動けないなら休ませて」

 保護者に時間的・心理的余裕がなく、言い過ぎたり、無理をして行かせてしまったりすることもある。そんなときは、しっかり謝ろう。「むしろ信頼関係をつくれることもあります」

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 小野寺さんが勧めるのは、親の弱みを見せること。子どもは「自分だけがつらい思いをしている」と感じがち。親のつらかった経験、挫折体験などを聞くと「私は救われた気持ちになりました」。関係性を向上させ、子どもの悩みも聞きやすくなる。

 小野寺さんは「まず親が共感的な心の状態であること。関係性を大事にして、長い目で見ながら接してほしい」と話していた。

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