福井県福井市の中心市街

 新型コロナウイルスの感染拡大防止策の一環で、休業要請に応じた事業者に福井県が支払う協力金制度に不満の声が出ている。小規模事業者は床面積の要件で支給対象外となったほか、5月上旬の緊急事態宣言延長後も休業の協力をする必要があることを知らずに通常営業に戻したため、不支給となったケースがあったからだ。事業者らは「感染第2波を見据え、県は『オール福井』で協力できる仕組みづくりや周知の徹底に努めてほしい」としている。

⇒【表付き】休業要請対象となった100業種

 福井市内で学習塾を営む男性(41)は、休業要請が始まった4月25日から塾を閉め、5月7日に協力金の申請書類を県に提出した。すると翌日、担当者から「休業要請の対象になっていないので協力金は支払えない」と連絡が入った。

 塾の床面積は約60平方メートル。県の基準では100平方メートル以下の塾は休業要請対象外で、適切な感染防止対策を取れば営業を続けることができた。休業した理由について、この男性は「狭い方が感染リスクが高い。だから子どもを守るために苦渋の決断をした」と語る。「感染防止の資材をそろえるのも自己負担だった。それなのに大きな事業者は協力金がもらえ、小さい事業者は門前払い。あまりに不公平じゃないか」と納得がいかない様子だ。

 エステサロンも床面積100平方メートル以下は休業要請の対象外だった。経営者の福井市内の女性(48)は、顧客が感染しないよう4月25日から休業に入った。

⇒【Q&A】休業協力金についての疑問に県が回答

 岐阜県や愛知県は協力金の対象を面積で区別していない。この女性は「財政力の違いで支援に差が出るのはおかしい。国は地域の実情に応じた支援をすべきだし、福井県も国にもっと要求してほしい」と語る。

 休業要請の期間終了日が当初の5月6日から17日まで延長されたことに絡む不満も聞かれる。県は要請期間開始日の4月25日から期間終了日までの全面協力を支給要件としたが、福井市で飲食店を営む男性(53)はそのことを知らずに7日以降に通常の営業時間に戻してしまった。

 男性は「資料を読み込まなかった私に落ち度があった」としつつも、「7日以降の分の追加支給は求めない。せめて6日まで我慢して協力した分は一定の支援を」と切実な表情で訴えた。

 県議からも「不満や不公平感を放置すれば、第2波が起きた際に休業要請に応じてもらいにくくなり、危機的状況を招きかねない」といった声が聞かれる。

 これに対し県は、制度設計や周知のあり方について「支給要件に関しては、北陸3県の人の移動や感染拡大防止の観点から、石川や富山県と同様の線引きとした。周知についてもメディアの広告などを活用し理解を得られるよう努めた。ただ、事業者の窮状や不満は認識している。しっかり検証し次回に生かしていきたい」と説明。新設した小規模事業者等再起応援金や雇用維持事業主応援金などの活用を呼び掛けている。

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