新型コロナウイルスの対応を巡り、福井県民に感謝を述べる杉本達治知事=5月28日、福井県庁

 福井県の杉本達治知事は5月28日、新型コロナウイルスの感染第1波が県内でほぼ収束したことを受け、福井新聞のインタビューに応じた。入院患者が急増した3月下旬から4月上旬にかけ、自衛隊の派遣要請を検討するほど逼迫した状況だったとし「恐怖を感じていた」と振り返った。第2波は「当然あり得ると考えるべき」と述べ、県民に新しい生活様式の実践を訴えた。

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 -3月下旬から4月上旬に感染が急拡大した。厚生労働省は県内の感染者が最悪1500人になると指摘した。

 「先の展開が見えず、患者が増えていた2週間は心配だった。(軽症患者らを収容する)宿泊療養施設を東京より早く全国で初めて4月5日に開設したが、それだけ切迫していた。1500人という数字を聞いた時には『とんでもない』と驚いた。福井、東京で一気に感染が拡大して現実味を帯び、4月10日すぎくらいまでは恐怖を感じていた」

 「病床が不足しかねない中、(クルーズ船の)ダイヤモンド・プリンセス号で対応した経験のある自衛隊に宿泊療養施設の運営を依頼できないか検討していた。最終的には医師会にお願いでき、法律に基づく要請はせずに済んだ」

 -4月下旬からは入院状況も速やかに改善した。

 「4月3日以降、事業者を含む県民の皆さんに自粛の協力を得られたことが最大の鍵だ。感染経路が分からない例を抑えられた。ゴールデンウイークの人出をみて、それほど大きく広がらないだろうと思えるようになった。新規感染者1カ月間ゼロは、県民の皆さんの協力があってこそだ」

 -第2波の可能性は。県民は何が必要か。

 「特効薬やワクチンがない状況は変わらず、第2波は当然あり得ると考える必要がある。経済を再開すれば接触機会が増え、全体的な感染リスクが上がることは避けられない。ただ一人一人がマスク着用など新しい生活様式を守ることで個別のリスクを抑えられる。大きな感染の波が来ないようにすることは可能だ」

 「今は幅広くPCR検査をできる体制がある。濃厚接触ではない接触者も検査を受けてもらうことで拡大を防ぐことができる。家族内で感染を広げないため、濃厚接触者はホテルなどに移っていただくことも積極的にやっていきたい」

 「県民には感染者や医療関係者への誹謗中傷、差別をしないよう求めたい。すべての人に優しく生活することが、経済の立ち直りを進め、第2波を防ぐ最良の方法だと思う」

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 -“コロナ後”の経済、社会はどうあるべきか。

 「今回、東京など都市部に人が集中するリスクが明らかになり、人が分散して住む必要性が意識された。加えてリモートワークやテレビ会議など、都市部から離れて社会生活を営むことができる可能性も広がった。福井県が発展する可能性が大きく広がったと考えている。6月補正では“アフターコロナ”もにらみ、前向きに取り組めるような本格的な予算を組みたい」

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