市民のメッセージを付けた花火玉の準備を進める上木伸鷹さん。全国の花火業者が一斉に花火を打ち上げる企画に参加する=5月25日、福井県越前市高木町

 新型コロナウイルスの感染拡大で沈み込んだ社会に元気を届けようと、全国約150の花火業者が各地で一斉に花火を打ち上げる企画を進めている。人の密集を避けるため、詳しい日時や場所は公表せずサプライズで実施。福井県越前市内の1社も県内で150発を打ち上げる予定で、関係者は準備に追われている。

 企画は「全国一斉悪疫退散祈願『CHEER UP!花火』プロジェクト」。発起人有志の数社が全国の花火業者に呼び掛け、北海道から沖縄まで各地の会社が参画する。

 本県から参加するのは越前市高木町の「上木銃砲火薬店」。同店は5月5日に、外出自粛で疲れた市民の心を癒やそうと、店近くの水田でサプライズの花火25発を打ち上げた。県内で2回目の打ち上げを考えていたところ、全国企画の誘いを受け、参加を即決したという。打ち上げ師の上木伸鷹さん(29)は「全国の同業者が、花火で希望をもたらしたいという同じ思いを持っているのだと感じ、うれしかった」と語る。

 「コロナに負けるな」「心をひとつに」。感染症収束を願う人々の気持ちも一緒に夜空に届けようと、同店の花火玉には、市民から募ったメッセージを紙に書いて貼り付ける。花火用の筒には、打ち上げ師仲間で作った越前和紙の折り鶴を入れ、花火と共に打ち上げる。25日は上木さんが、メッセージ付きの花火玉の仕込みを進めた。上木さんは「1カ月以上の自粛生活を頑張ったおかげで、いったんはコロナが収まりつつある。どんな困難もまたみんなで乗り越えられるという思いを込めて、花火を打ち上げたい」と話していた。

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