木球を詰めた枕を手にする大杉昭夫さん。手前は自分でミシン縫いした枕カバー

 コロナ禍で経営する飲食店が縮小となり、巣ごもりの時間を利用して、福井県福井市の85歳、大杉昭夫さんは間伐材でつくった木球入りの枕を完成させた。40年来構想を練ってきたアイデアで、これまでも自動車のエンブレムや洋服のロゴなどの商標登録をしてきたという大杉さんは「命ある限り、面白いことをやり続けないと」と、次の面白いこと探しに目を輝かせている。

 大杉さんが完成させたのは、間伐材でつくった直径3・5センチの木球を詰め込んだ枕。約40年前に旅行先の山陰で購入した風呂用のヒノキの木球を約100個、タマネギ用のネットに入れて枕として利用。「夏は涼しく、冬は温かい。頭のツボも刺激するのでは」と使い続けており、製品化をもくろんだ。

 県内の美山町森林組合に木球の制作を依頼する一方、ホームセンターや手芸ショップで材料を探し、インターネットなどを参考に枕カバーの形状を考えた。家族に裁縫を依頼したところ協力を得られなかったという。「またなんか始めたわって思われたんやろな」と笑う大杉さん。

 それならばと、自身でミシンを駆使。「本業」の飲食店に立つ必要がなくなり、空いた時間を利用し、一日かけてカバーを縫い上げた。ところどころ縫い目がそろっていないが「うまくできてるやろ?」とご満悦そうに話す。既にブランドネームも、キング(王)とゴッド(神)を組み合わせた「KINGOD(キンド)」を商標登録しているいう。

 しかし、問題は制作費。木球だけで枕1個につき5万円にもなり、布などの材料費を加えると「6万はかかる」と大杉さん。「高いなら贈答品にできないか」と発想を転換したという。夢は「まちおこしに一役買うこと」を掲げ、「人生を楽しまなきゃ」と面白いことを探している。

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