日本バスケットボール協会の三屋裕子会長

 目指していた大会が中止になって、中高生はつらいと思います。輝けるはずの最終学年がこんなことになり、苦しみ、悩むでしょう。なくなったものに気持ちが向かうのはよく分かります。

⇒中高生へあなたもメッセージを送りませんか

 でも、みんなには大きな未来がある。中学生には高校が、高校生には大学や社会が。いつまでも立ち止まっていては、成長や進歩は生まれません。

 学校には卒業があります。でも安心してください。スポーツに卒業はないから。大好きなスポーツはなくならないから。感染拡大が落ち着いて、みんながまた飛び込んできてくれるのを、ずっと待っているから。

 日本バスケットボール協会は収束後の展開を準備しています。なくなった大会にどこまで代われるか分からないけど、中高生が失った機会を少しでも埋められないかと話し合っています。

 私は筑波大4年生だった1980年に、モスクワ五輪のバレーボール女子日本代表に選ばれました。開幕まで2カ月という時、悪夢のような出来事が起こった。東西冷戦という政治的理由を背景に、日本政府がボイコットを決めたのです。ぼうぜんとしました。引退を真剣に考えました。

 同時に、必死で積み重ねてきた練習の日々がもったいないとも思った。五輪でどこまでやれるか試したかった。自分を奮い立たせ、4年後のロサンゼルス五輪では銅メダルを獲得しました。納得できる結果ではなかったけれど、続けてよかったと思っています。

 日本中の中学3年、高校3年のみんなが同じ無念さを抱えている。君は一人じゃないと分かってほしい。そして、自分の命、大切な人の命を第一に行動してほしい。収束に向かったら、また走り出そう。

⇒【前を向こう】中高生にトップアスリートからエール

 ■みつや・ゆうこ 福井県勝山市出身。勝山中学校-八王子実践高校-筑波大学-同大大学院修了。大学4年の1980年、モスクワ五輪代表に選ばれるもボイコットで幻に。卒業後は名門・日立で活躍し、84年ロサンゼルス五輪では銅メダルを獲得した。日本バスケットボール協会会長。東京都在住。61歳。

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、スポーツ大会が相次いで中止に追い込まれた。汗と涙をぬぐって頑張ってきた成果をどこにぶつければいいのか、と悩む中高生のみんなを勇気づけたいと、福井出身の選手たちが自らの体験を踏まえたエールを寄せた。

 福井出身の選手たちが福井県の中高生アスリートにエールを送る「前を向こう」。福井新聞は「前を向こう」で紹介した選手への激励メッセージを募集します。選手たちに皆さんから激励メッセージを送りませんか?選手に届けます。 →メッセージ投稿はこちらから

 

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