【越山若水】何千もの湖のある国、何千もの森のある国、オーロラ、サウナ、ムーミン、おしゃれなデザイン…フィンランドのざっくりとしたイメージを列挙してみた▼なじみはまだ薄く遠い国だが、フィンランドは国連による世界幸福度ランキング2020で首位。3年連続だ。1人当たりのGDPをはじめ健康寿命、寛容さ、社会支援などに主観満足度を基に算出される。日本は年々順位を下げ153カ国中62位。今年初めて公表された都市ランキングでも首都ヘルシンキが世界300都市の中からトップに選ばれている▼「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか」(ポプラ新書)の著者、堀内都喜子さんは本のタイトルの答えを友人の言葉に求めている。「仕事は簡単そうに効率よくこなし帰るのが格好よく、できる大人の証拠」。その根底には「人は人、自分は自分」といったフィンランド人気質があるようだ▼幸福度ランキング1位の鍵を握るキーワードに堀内さんは「シス」を取り上げている。困難を乗り越える精神力を表す言葉という。日本語の「頑張る」に通じるとか▼新型コロナの感染対策でも優等生といわれる。WHOによれば感染者数は約6500人で北欧では最少。マスクなどの衛生用品の備えが万全だったためで、感染拡大を抑えられているらしい。「シス」の精神を見習って、コロナ禍を克服したい。

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