大相撲の舞蹴修樹さん

 「ただただ悔しかった」。高校最後の1年はけがに苦しみました。振り返るなら、その一言です。

 福井県春季総合体育大会の後に右膝の前十字靱帯を切りました。無理して全国総体(インターハイ)に出たものの個人戦は予選敗退。国体も結果を残せず、相撲を引退して就職しようかと悩みました。

 でも、このままじゃ終われない、力を試したいと思った。実家の家計を助けたい気持ちもあり、声を掛けていただいた二子山部屋にお世話になる決意をしました。手術が成功し、角界入りを果たせました。

⇒中高生へあなたもメッセージを送りませんか

 中高生に伝えたいのは、何事も諦めないでほしいということです。靱帯断裂のけがも、自分にとっては悪いことだけではなかった。リハビリ期間にトレーナーから筋力トレーニングを詳しく教わったことは今に生きています。どんな苦境にも意味があり、必死に取り組んだ努力は未来につながります。

 高校時代の恩師とは今も連絡を取り合う仲。しこ名の「樹」の文字は先生の名前からもらいました。家にお邪魔して、大量のおかずと丼5杯の白米を食べる「飯合宿」はきつかったですね。おかげで、入部当初90キロだった体重が卒業時には125キロに増えました。厳しい練習もよい思い出です。

 新型コロナウイルスの影響で4月中は力士同士の接触も許されず、自主トレーニングしかできませんでした。5月にようやく稽古が再開となり、不安はありますが前を向いています。

 押し相撲で元曙関ら巨漢を攻めた朝日山親方(元琴錦)が目指す力士像です。まずは関取(十両)になるのが目標。その壁は高いけれど、やりがいがある。年末に帰省すると福井の相撲関係者が歓迎してくれます。地元の声援を励みに、頑張ります。

⇒【前を向こう】中高生にアスリートからエール

 ■まいける・しゅうき 順化小学校―光陽中学校-福井農林高校―二子山部屋。高校3年時の金沢大会で個人3位。2017年9月、郷土力士として14年6カ月ぶりの初土俵を踏んだ。現在は三段目。最高位は幕下東39枚目。日本人の父とフィリピン人の母を持つ。177センチ、138キロ。21歳。

  ×  ×  ×

 新型コロナウイルスの感染拡大で、スポーツ大会が相次いで中止に追い込まれた。汗と涙をぬぐって頑張ってきた成果をどこにぶつければいいのか、と悩む中高生のみんなを勇気づけたいと、福井出身の選手たちが自らの体験を踏まえたエールを寄せた。

 福井出身の選手たちが福井県の中高生アスリートにエールを送る「前を向こう」。福井新聞は「前を向こう」で紹介した選手への激励メッセージを募集します。選手たちに皆さんから激励メッセージを送りませんか?選手に届けます。 →メッセージ投稿はこちらから

関連記事