母親を介護した日々をつづった本「ドタバタかいご備忘録」を手にする馬場のぶえさん

 福井県坂井市出身で広島テレビアナウンサーの馬場のぶえさん(45)=広島県在住=が、パーキンソン病と認知症を患った母親を介護した12年間についてまとめた本「ドタバタかいご備忘録」を発刊した。昼夜を問わない自宅介護、仕事や子育てとの両立、施設を利用する際や延命治療への葛藤など「きれいごとだけではない」日々を、温かくユーモアある文体でつづっている。

 馬場さんは藤島高校、日本大学芸術学部卒。1997年に広島テレビに入社し20年以上、“広島の夕方の顔”として活躍している。

 入社した年に父をがんで亡くし、母・かをるさんがパーキンソン病を発症。母は5年ほど坂井市で1人暮らしをしていたが病状が悪化して親戚に頼るようになり、神奈川県横浜市にいる姉の元へ。一日に何度か動けなくなるため夜中もトイレ介助が必要で、フルタイムで働く姉には負担が大きく、馬場さんは2004年の育児休暇取得を機に母を広島に呼び寄せた。

 「これでようやく親孝行ができる」と決意して始まった介護生活。2カ月を過ぎると毎晩3、4回のトイレ介助と、娘の授乳で「眠れない日々」へのストレスが募っていった。先の見えない苦しさを感じる中で、仕事柄、介護疲れにまつわる社会問題のニュースに触れたことを思い返し、「こういうことだったんだ、と分かった気がした」と記す。

 母が認知症を発症して老人ホームに入ってからは、医師から胃ろうや床擦れによる足の切断を勧められ、重い決断を前に「元気なうちに話し合っておけばよかった」と後悔したという。

 一方で、症状が進み会話ができなくなった後でも年に1、2度、明瞭に会話できる「本当の母が顔を出す瞬間」があり、ご褒美のように感じたそう。16年に68歳で亡くなった際には、「最後は帰らせてあげたい」と福井県内で葬儀を行った。

 馬場さんは「笑顔で立派に介護している人もいるのに、なぜ私はうまくできないのかと落ち込んだこともあった。介護は思うようにいかない。悩んでいる人がいたら、あなただけじゃないよと伝えたい」と話している。

 広島テレビホームページでの連載に加筆してまとめた。新著は190ページ。ザメディアジョン刊、1100円(税込み)。

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