防災訓練で炊き出しをする赤十字奉仕団員。かっぽう着でなく赤いベスト姿で活動した=2017年8月、福井県大野市

 災害時のボランティア支援活動や募金活動を展開する赤十字奉仕団といえば女性たちの真っ白なかっぽう着姿が印象的。これに対し福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に、福井県内の男性団員から「かっぽう着は暗黙の制服になっているが、男はさすがに着られず一体感を得られない」という声が寄せられた。福井県赤十字奉仕団に取材してみると、かっぽう着は100年以上続く由緒ある“ユニホーム”として世間から広く認知されている。ただ近年は変化を求める声も出てきているという。⇒「ふくい特報班」LINE友だち登録はこちら

 赤十字奉仕団の発祥は1877(明治10)年の西南戦争にさかのぼる。奉仕を志した人たちが、包帯作りなどで戦傷者を支援。この際に着ていたのがかっぽう着だった。

 その後、篤志看護婦人会として組織化。戦後の1948(昭和23)年、赤十字奉仕団として生まれ変わったが、団員はほぼ女性だったことから一貫してかっぽう着を着続けてきた。災害時の炊き出し、募金など活動時はもちろん、総会や式典もかっぽう着姿だ。

 ふく特にメッセージを寄せてくれた男性団員は、県内のある支部に所属している。以前、支部の中心となっていた婦人会がなくなり、男性団員が徐々に増えてきたという。男性は「女性がズラリとかっぽう着姿でいると、自分たち男は圧倒されてしまう」と戸惑う。かっぽう着を着るわけにもいかず「男性はベストなど別のものに変えられないかな」と思いを打ち明けている。

 県赤十字奉仕団の藤堂朱実委員長は「時代の変化から近年、女性でも若い人からかっぽう着以外を望む声が挙がっている」と現状を明かした。全国の会合でも同様の意見が出ているという。県内の支部では、独自にジャンパーやベストを作り、状況に応じてかっぽう着と使い分けているところもあるという。

 ただ「募金の際、かっぽう着を着ていれば奉仕団だとすぐに分かってもらえる」と、長い歴史で根付いてきたかっぽう着の認知度は抜群。その上、普段着の上に着るだけで即座に活動できる優れものだ。

 県内の団員数は1万2114人で、このうち男性は12%の約1400人。年々増えているという。藤堂委員長は「支部ごとにユニホームを作るなどして、状況に合わせ選択できれば」と柔軟に取り組む考え。同時に「一番大事なのは奉仕の心。思いが強ければ着るものにこだわらなくてもいいのでは」とも話している。

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