夏の甲子園中止について、記者の質問に答える敦賀気比高の(右から)東哲平監督、岡村匠樹主将、笠島尚樹選手=5月20日、福井県敦賀市の同校

 新型コロナウイルス感染症の影響で全国高校野球選手権大会と地方大会の中止が5月20日、決まった。聖地で戦うことを夢見て野球に青春をささげた3年生にとって、あまりに酷な決定。最大の目標を失った福井県内の選手たちからは「甲子園で戦いたかった」「心の整理がつかない」と悲痛な声が聞かれた。

⇒中止の悔しさ、選手たちへのエールを送ってください

 3年連続出場を目指していた敦賀気比。昨夏、背番号1を背負ったエースの笠島尚樹選手は「まだ心の整理がついていない」と中止を受け止められない様子。「(昨夏の)甲子園ではベンチに入っていないメンバーがサポートや応援をしてくれた。そのメンバーと甲子園でプレーしたい思いがあったので本当に悔しい」と声を絞り出した。岡村匠樹主将は「甲子園で戦う夢が消え、どこに当たればいいか分からない」と悔しさを口にした。

 昨秋県大会3位の北陸の印牧光希選手は「小学生のころから甲子園を目指しやってきたのに…」と落胆。それでも「夏の県大会があると思って、優勝を目指して練習したい」と前を向いた。4月から実家で過ごしていた奈良県出身の水町達哉主将は、今月17日に福井に戻り、ホテルで2週間の健康観察期間を過ごす。「中止の確率は高いと分かっていたけど『あると信じてやっていこう』とみんなと話していた」といい、県の基準の範囲内で自主練習に励んできた。仲間には「最後まで感謝の思いを持ってやりきろうと伝えたい」と気丈に話した。

 2013年を最後に夏の甲子園から遠ざかっている福井商の玉村大季主将は「(甲子園に出て)福商が復活したっていうのをいろんな人に見せたかった。県大会があるなら、今まで自分がやってきたことを証明したい」と力を込めた。

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 監督にもショックは広がった。敦賀気比の東哲平監督は「ある程度覚悟はしていたが、残念の一言」と無念さをにじませた。昨秋の県大会で準優勝し、21年ぶりの甲子園出場を狙っていた敦賀の吉長珠輝監督は「甲子園を経験した身としては、子どもたちにどう声をかければいいか整理がつかない」と複雑な心情を吐露。北陸の林孝臣監督は「最後まで一生懸命やるのが野球人。終わりが何であれ、最後までしっかり取り組もうと伝えたい」と話した。福井商の川村忠義監督は「『県大会を制して聖地へ』という喜び、感動を常に選手たちに伝えながらやってきただけに…」とやるせない様子だった。

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