グラミーを受賞した『ライトニング・ボルト』以来6年半ぶり、11枚目のニュー・アルバムです。MTVに代表される80年代の商業的なロックに対峙しピュアなロック・スピリッツを取り戻すべく90年代初頭シアトルのインディー・シーンから誕生したグランジ・ロック。当時ニルヴァーナと人気を二分した彼らのサウンドはオールド・スクールのロックにも通ずるハードなもの。詞の内容も社会を痛烈に批判するもので06年の『パール・ジャム』ではイラク戦争を始めたブッシュ大統領に対するメッセージが込められていました。

 さて6年半ぶりのこの作品、バンド結成から30年、メンバーも歳を取り以前のような反骨精神は薄れたかと思ったら大間違い、大きなメッセージと共に戻ってきました。それは世界の民主主義を脅かし地球の環境の破壊を省みないドナルド・トランプへのメッセージ。より多彩になったサウンドで聞かせます。温暖化で氷が解け出るノルウェーの島の写真を使用したアートワークも印象的です。

(ユニバーサル・2700円+税)=北澤孝

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