それぞれの会社で製造した手指消毒用の高濃度アルコールを手にする(左から)吉田由香里社長、水野直人社長、田邊啓朗専務=5月19日、福井県永平寺町役場

 新型コロナウイルスの感染拡大で不足する手指消毒用アルコールの代替品として、福井県永平寺町内の全酒蔵3社が高濃度アルコールを製造し、供給を依頼した同町に納入を開始した。5月19日には3社の代表が製品を町役場へ持ち寄り、河合永充町長らに完成を報告。町は3社から計2600リットルを購入し、学校や医療機関、福祉施設などで活用する。3社は「地域貢献の使命感で取り組んでいる。6月から学校が再開する中で、楽しい生活を送る環境づくりにつながれば」などとしている。

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 製造しているのは黒龍酒造と吉田酒造、田邊酒造。この日は黒龍酒造の水野直人社長と吉田酒造の吉田由香里社長、田邊酒造の田邊啓朗専務が河合町長らと面談し、製品を渡した。河合町長は「日常を取り戻していく中での安心につながるし、感染の第2波の防止にもなる」と謝辞を述べた。

 町から4月下旬に製造と供給の依頼を受けた3社は、醸造用アルコールを使って65~73度の高濃度アルコールを製造している。全国の酒造会社が同様の取り組みをする中で「原料が入手しにくく苦労した」と吉田社長。水野社長は「3社そろって町に協力できてうれしい」と述べた。

 高濃度アルコールを巡っては消毒用に使う場合、ラベルに「飲用不可」と表記することなどで酒税が免除された。3社の製品も免税対象となり、その分町は予定していた2千リットルに600リットルを上乗せして購入。学校などのほか、災害時の避難所、町内飲食店でも活用する予定。

 3社とも一般への販売は予定していないが、黒龍酒造と吉田酒造については「ほかの行政機関や公共施設から依頼があれば検討する」としている。

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